162キロ計測に衝撃、東北福祉大の1年生右腕・堀越啓太 球速を伸ばした練習法とは
今オフ、アマチュア球界に衝撃が走った。東北福祉大の1年生右腕・堀越啓太投手が162キロを計測する動画が、ネット上などで話題となったのだ。プロ野球や米大リーグで活躍した佐々木主浩、斎藤隆ら好投手を次々と輩出してきた名門大に現れた新星。大学2年目のシーズンに向けて調整を続ける堀越に、今オフの手応えやプロを目指す上での課題を語ってもらった。(取材・文=川浪 康太郎)
非公式ながら162キロを記録、東北福祉大1年の堀越啓太投手を直撃
今オフ、アマチュア球界に衝撃が走った。東北福祉大の1年生右腕・堀越啓太投手が162キロを計測する動画が、ネット上などで話題となったのだ。プロ野球や米大リーグで活躍した佐々木主浩、斎藤隆ら好投手を次々と輩出してきた名門大に現れた新星。大学2年目のシーズンに向けて調整を続ける堀越に、今オフの手応えやプロを目指す上での課題を語ってもらった。(取材・文=川浪 康太郎)
◇ ◇ ◇
162キロが計測されたのは、昨年12月22日。埼玉県飯能市の実家に帰省し、自主トレを行っている時期だった。この日は花咲徳栄高校時代から、たびたびアドバイスを受けている指導者に会うため、茨城県つくば市のトレーニング施設に足を運んでいた。
「フォームのズレを修正してもらおう」と考えていただけで、あくまでも調整の機会にするつもりだった。しかしいざ投げ始めると、150キロ台後半の球速を連発。ついには測定分析機器ラプソードで162.4キロを叩き出し、最終的に160キロ台を3度計測した。
「冬場だし、この日は150キロさえ出ると思っていなかったので、不思議な感覚だった」
非公式の記録ながら、オフ期間中の急成長に堀越自身が誰よりも驚いていた。
昨年は、堀越の名を全国に知らしめた1年だった。ルーキーながら主に抑えを任され、リーグ戦は春秋計7試合、8回1/3を投げ、わずか1失点。スリークォーターから放たれるストレートはほとんどが150キロを超えており、キャッチャーミットにボールが収まるたびに球場中からどよめきが起こっていた。
春の新人戦では試合での自己最速となる155キロをマークし、全国デビューとなった全日本大学野球選手権では大会最速の154キロで強烈なインパクトを与えた。
花咲徳栄時代は、最速147キロの直球を武器に強力投手陣の一角を担った。ドラフトは指名漏れに終わったが、大学入学に向けて球速を伸ばすため、試行錯誤を重ねた。
まずは投球時に上げる左足の高さを高くするなど、フォームを修正。さらに効果的だったのが、高校の同級生に教わったというバレーボールを用いた練習だ。