この夏に懸ける高校生へ バドミントン松友美佐紀が伝えた「覚悟」という言葉の意味
高校生から質問「リオ五輪決勝、最終セット16-19で何を考えていましたか?」
ポカリスエットでの水分補給の時間を挟み、授業は質疑応答のコーナーへ。技術アドバイスに始まり、五輪のことから日々の心構えまで、15人の部員全員が積極的に質問。松友さんは一人ひとりに丁寧に答えていった。
――リオ五輪の決勝、(最終セットで)16対19で負けていたとき、すごく追い込まれていたと思います。あの時、何を考えて試合をしていましたか?
「あと2点取られたら負けだし、勝とうと思ったら、あと5得点するか先に30点とるかだと一瞬で考えました。どちらにしろ、試合は残り少ない。毎日、本当にたくさん練習してきましたし、ここまで来たら、自分が今までやってきたことを一つでも、1球でも出して、相手に1回でもオッ!? と思わせたいという気持ちが一番大きかったです」
――ダブルスの前衛にいるときは、プレー中、何を意識していますか?
「前衛にいるときだけではなく、私は試合中、常に相手との勝負を楽しんでいますし、勝負を恐れないで、常に自分から攻めていく、仕掛けていく気持ちがあります。
長年プレーしていますが、1セットを21対0で勝ったことは、1回もありません。つまり、どんな試合でも点を取ったり取られたりするということ。自分がうまくいってないと怖くなり、ミスをしないようにと考えてしまうけれど、だからこそ、常に自分が仕掛けていける勇気を持って欲しい」
――先輩とダブルスを組んでいますが、失敗したときに申し訳ない気持ちになります。
「それは多分、先輩も思っていること。失敗しちゃうと“すいません”ってまず思うけれど、次のラリーに入るまでの間、ずっと申し訳ないと思っていても、何にも変わっていきません。
失敗したことを気にするより、すぐに切り替えて、どうやって1点を取りに行くかを考えたらいいんじゃないかな。今はこういう感じでミスをしたから、次はこういうイメージでやってみようと、次の展開をたくさん考えられるようになれば、もっといろんなプレーのイメージも持てるようになる。パートナーと二人で頑張って!」