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現役時代「スポーツと平和」を痛感した有森裕子から大学生へ 今考えるべきスポーツの立ち位置

特別賞受賞の大島健吾(左)、本多灯(中央)とともに登壇した有森さん。UNIVASの活動を通じ、卓越した人材の輩出を目指す【写真:大学スポーツ協会提供】
特別賞受賞の大島健吾(左)、本多灯(中央)とともに登壇した有森さん。UNIVASの活動を通じ、卓越した人材の輩出を目指す【写真:大学スポーツ協会提供】

UNIVASの理念「大学スポーツを通じて卓越した人材を輩出」

 私が理事長を務める、スペシャルオリンピックスでは、ユニファイド事業を推奨する学校として、東洋大学と「ユニファイドスクール パートナーシップ協定」を結んでいます。

 スペシャルオリンピックスは、知的障がいのある人たちに様々なスポーツトレーニングと、その成果発表の場である競技会・大会を提供する国際的スポーツ組織です。同組織では社会的インクルージョンの促進を目的に、知的障害のある人とない人がスポーツを通じ、お互いの理解を深めていく様々な取り組みを行っています。学校と提携し、そういった機会を設けることも、ユニファイド事業の一つです。

 知的障がいのある人と健常者でチームを組み、一緒にスポーツをして、何かを一緒に成し遂げる。参加した学生たちがその経験を持って社会に出ていくことで、共生社会が当たり前になっていきます。近々、中京大学とも協定を結びますが、今後もUNIVASに関わる多くの学生たちも、関わることが出来るよう、繋いでいきたいと考えています。

 大学スポーツを通じて「卓越した人材を輩出する」。これがUNIVASが掲げる理念です。選手だけでなく、コーチや運営も学生自らが行う大学の運動部は、人材の宝庫です。競技者として世界に羽ばたく選手、一般社会に出ていく方、未来を担う子供たちの教育者になる方もいます。それだけに、学生には、勉学とともに、社会・世界を体験、知識、感性を磨いてほしい。学業や部活動を通して、スポーツをやっている意味や、自分には何ができるのかを考え、社会とのつながりを感じて欲しい。そういった時間は必ず、社会人になったときに力になると思うのです。

 私がUNIVASと関わるようになり感じることは、大学スポーツが持つ可能性や伸びしろです。学生アスリートは学校・部活動の枠を超えて、様々な組織とつながり、色々な情報を得て、考える機会が増えていけば、既存の「大学スポーツ」の狭い枠を超え、より多い方向へと可能性を見出し、変わっていけると思います。

 そのためには、よりもっと大学や我々のような大人も、機会を作る努力をしなくてはいけない。私自身も、様々な社会、組織と学生を繋ぐことがUNIVASでの役割の一つであると感じていますし、やりがいを感じています。

■有森裕子 / Yuko Arimori

 1966年、岡山県生まれ。元プロマラソンランナー。就実高、日体大を卒業し、リクルート入社。女子マラソンで92年バルセロナ五輪では銀メダルを、96年アトランタ五輪でも銅メダルを獲得。故障やメダル獲得の重圧を背負い臨んだアトランタ五輪のレース後に残した「自分で自分を褒めたい」という言葉は、その年の流行語大賞となる。07年2月、「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。10年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。現在、国際オリンピック委員会(IOC)と活動的社会委員会委員、日本陸上競技連盟副会長、スペシャルオリンピックス日本理事長、ハート・オブ・ゴールド代表理事等の要職を務める。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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