「1人で大きなものは背負えない」 日大ラグビー部・菊谷崇HCが考える“主将論”
3年連続で大学選手権ベスト8入りをするものの、4強の壁を越えられない日本大学ラグビー部。「チームに新たな風を吹かせよう」と新ヘッドコーチ(HC)に元日本代表主将の菊谷崇氏を招聘し、改革に乗り出した。
対談企画後編 日大ラグビー部・平坂主将と「お互いを知りながら徐々に」
3年連続で大学選手権ベスト8入りをするものの、4強の壁を越えられない日本大学ラグビー部。「チームに新たな風を吹かせよう」と新ヘッドコーチ(HC)に元日本代表主将の菊谷崇氏を招聘し、改革に乗り出した。
現役引退後は、同じく元日本代表の箕内拓郎氏、小野澤宏時氏、元アイスホッケー日本代表の鈴木貴人氏とスポーツアカデミー「ブリングアップ・アスレティックソサエティー(BU)」を設立し、小中学生やコーチの育成に尽力。U20や高校代表などのコーチングスタッフとしても経験を積んだ菊谷新HCは、かつて関東大学リーグ戦1部で3度優勝した古豪をどう導くのか。
3月1日から日本大学稲城グラウンドで始動した菊谷新HCと主将でNo.8の平坂桃一選手にそれぞれの想いをまっすぐにぶつけてもらう対談企画。後編では「主将という役割」について語る。
◇ ◇ ◇
――菊谷HCは練習初日を迎える前に、チームが目指す方向性について平坂主将や学生と話をしましたか。
菊谷:はい。主将と各ポジションのリーダー陣と一緒に情報共有の時間を作りました。まず、学生たちが「Rise as One」というスローガンを決めてくれていたので、コーチ陣やスタッフも一緒にそこに込めた想いを聞いたり、僕らが考える方向性について話をしたりしました。まずは5月1日に帝京大と試合があるので、そこに向けての準備をする中で、お互いを知りながら徐々に中身を積み上げ、ブラッシュアップしていきたいと思います。
平坂:自分たちにも考える場や機会を作ってくださるので、自分から考えようという意識が芽生えてきました。ただ、練習が終わると体だけではなく、頭がかなり疲れます(笑)。
――コーチが答えを与えるのではなく、グラウンドにいる選手が主体的に考え、コミュニケーションを取るように導くコーチングのスタイルは、BUラグビーアカデミーと同じですね。
菊谷:それは変わりません。チームトークやコミュニケーション能力、咄嗟の判断力や対応力の大切さは、リーグワンでも日本代表でも変わりませんから。チームとして機能するためには、チームトークで何をどう伝えれば響くのか。そこまで意識できるようになればいいなと思いますが、少しずつ、ですね。もちろん4年生と1年生でも差があるので、慌てずボトムアップしていければと思います。