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1年越しの全国V3狙う女子ソフトボール部 監督も泣いた「あきらめない」卒業生のLINE

全国高校総体「インターハイ」が北信越で2年ぶりに開催される。コロナ禍にめげることなく、さまざまな「あきらめない」を持った出場校や選手を紹介する連載「できっこないを、やる夏だ」。今回は7月28日に開幕する女子ソフトボールの須磨ノ浦(兵庫)。2018、19年に続く3連覇を目指すチームは、コロナ禍では先輩たちの偉大な振る舞いに支えられた。自粛期間を乗り越え、下級生も一つにまとめた“中止決定翌日”の出来事とは。(文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

須磨ノ浦高校女子ソフトボール部【写真:松橋晶子】
須磨ノ浦高校女子ソフトボール部【写真:松橋晶子】

連載「できっこないを、やる夏だ。」須磨ノ浦・女子ソフトボール部

 全国高校総体「インターハイ」が北信越で2年ぶりに開催される。コロナ禍にめげることなく、さまざまな「あきらめない」を持った出場校や選手を紹介する連載「できっこないを、やる夏だ」。今回は7月28日に開幕する女子ソフトボールの須磨ノ浦(兵庫)。2018、19年に続く3連覇を目指すチームは、コロナ禍では先輩たちの偉大な振る舞いに支えられた。自粛期間を乗り越え、下級生も一つにまとめた“中止決定翌日”の出来事とは。(文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

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 全国屈指の強豪として知られる兵庫・須磨ノ浦高校女子ソフトボール部。苦境でもあきらめず、耐えて耐えて勝つという姿勢を表したチームスローガン「ネバー・ギブアップ」と「耐勝」は30年以上受け継がれており、強い選手たちの礎となっている。

 堅守を伝統とするチームは18、19年のインターハイを連覇。昨年は全国V3を狙ったが、思いもよらない形で目標が消えた。

【動画】LINEグループ「須磨ソフト」の実物メッセージも登場 須磨ノ浦高校女子ソフトボールに密着した応援ムービー

 4月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、史上初めてインターハイの中止が決定。緊急事態宣言の最中、自宅待機となっていた当時の3年生部員は泣き崩れたという。

「先輩方の代で、やってきたことが出せない。悔しかったですし、最後の舞台がこんな形で終わってしまうというやりきれない気持ちもありました」(主将・坂本京花/3年)

 先輩たちと過ごしてきた時間は無駄になるのだろうか――。坂本ら下級生もやり切れぬ思いのまま、眠りについた。

 翌日、部のLINEグループに通知があった。インターハイ中止に、最も心を痛めているはずの主将・小笠原里桜さんの投稿だった。

「ここで止まっていてもダメやから、みんなで進んでいくよ。これからどうなるかわからないし、いつみんなに会えるかも分からないけど、でも次会った時成長して会えるように、全員が同じ気持ちで前向いて過ごそう」

 まだ終わりじゃない。別の舞台があると信じ、できることをやるしかない。小笠原さんの投稿に続くように、他の3年生からも続々とメッセージが書き込まれた。

「頑張りはどこかで必ず報われる」
「またみんなとソフトがしたい」
「今はできることを頑張ろう!」

 あきらめない3年生部員7人の姿勢を画面越しに確認し、須磨ノ浦で30年間指導している池田紀子監督も思わず涙をこぼした。部員に働きかけなどは一切していない。なぜ、18歳の彼女たちはこんなに強かったのだろうか。

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