「できっこないを、やる夏だ。」 サンボマスターと34人の女子高生が全国の「君」に届けたエール
「ここであきらめとったらあかん」 JETSがこの日までに歩んだ道
6月某日、サンドーム福井。3人のバンドメンバーと、34人のチアリーダーが集った。
「明るく、素直に、美しく――。Let’s Go JETS!!」
バンド機材が置かれたアリーナで、円陣を作ったJETSの掛け声とともに、位置についた。
誰もいない客席に、顔を思い浮かべた。
キャプテンの山田愛深さん(3年)は部員と誓い合った。
「インターハイでその選手の方々にエールを送るために一つ一つの動きに感情を込めて、自分の顔がはち切れるくらい、最高の笑顔で踊ろう」
JETSもコロナ禍で影響を受けた。昨年4月の緊急事態宣言以降、休校により2か月思うように練習ができず。予定されていたイベントが中止になり、大会は無観客になった。しかし、苦しい時こそ笑顔がチアスピリッツ。その誇りを忘れたことは一日もない。
副キャプテンの田口愛菜さん(3年)は言う。
「ここであきらめとったらあかんって思ったし、コロナに負けてたまるかって思った。もう、絶対にあきらめんということだけを思っていた」
あきらめたら、そこで終わり。手垢のついた表現でも、伝えたい想いがあった。
マスクを取った34つの顔に決意がにじんだ。
その想いに、サンボマスターはパフォーマンスで応えた。