流経大柏の伝統的キャプテンマーク 1枚の布切れに宿る「嫌われてナンボ」精神
準決勝のピッチで目を奪われたのは、死に物狂いでボールに食らいつき、タックルしながら転倒しても、またすぐ立ち上がりタックルを仕掛ける、芝にまみれたキャプテンマークだった。
流経大柏の主将MF宮本優太が存在感…矢板中央に1-0勝利で決勝進出、夏冬2冠に王手
準決勝のピッチで目を奪われたのは、死に物狂いでボールに食らいつき、タックルしながら転倒しても、またすぐ立ち上がりタックルを仕掛ける、芝にまみれたキャプテンマークだった。
全国高校サッカー選手権は6日、埼玉スタジアム2002で準決勝が行われ、インターハイ王者・流通経大柏(千葉)が矢板中央(栃木)に1-0で競り勝ち、決勝進出を果たした。流通経大柏の主将MF宮本優太は相手の攻撃を摘み続けるフィルターとして、この試合でも存在感を光らせていた。
相手選手の侵入を防ぐため球際激しくボールを奪い、味方選手がオーバーラップで空けたスペースを常にカバー。一人一人に声を掛け、チーム全体のバランス維持に努め続けた。その姿は、日本代表における主将MF長谷部誠を彷彿とさせる。
後半途中、DF関川郁万(2年)が相手選手のタックルに詰め寄った場面でも、真っ先に駆け寄り、頭に血が上っている関川に対し、「とりあえず俺の顔を見ろ。大丈夫だから。3年生とプレーするの、これが最後じゃ嫌だろう? 決勝出られなかったら、意味がないだろう?」と辛抱強くなだめた。
終了間際には、相手陣地のコーナーフラッグでボールをキープし、自分よりもずっと背丈のある相手選手複数人に囲まれ、体をぶつけられても倒れず、必死に時間を稼いで勝利への闘争心を示した。
試合後は関川に対し、「来年、キャプテンマークをつける可能性の高い選手。責任感とかはこの大会を通して身につけてもらえればいい。僕自身は、彼にキャプテンを任せたいので」と強い信頼感を示すことも忘れなかった。