高校サッカーで完封するには? 名将に叩き込まれた流経大柏DFが語る鍵は“バウンド”
名将・本田監督が誇る堅守「無失点でいる限り、負けることはない」
セルヒオ・ラモスと言えば、銀河系軍団レアル・マドリードでディフェンスリーダーを担っていることに加え、ストライカー顔負けの強烈なヘディングでゴールを量産する世界最高峰のCB。関川は、まさに流通経大柏においてセルヒオ・ラモスの役割を担っている。
昨夏のインターハイでは3回戦の市立長野戦でCBながらハットトリックを達成し、準決勝の前橋育英戦ではミサイルのようなヘディング弾で決勝点を挙げた。「そろそろ選手権でも点を取りたいんですけどね。ただ、センターバックはまず無失点ですから」
練習では棒にぶら下がっているボールをヘディングで、その棒を一周させるよう指示されているという。「絶対に回らないですよ、絶対無理!」とおどけたが、「でも、もう少しなんだけどね」と不敵に笑ってみせた。
名将・本田裕一郎監督も「点が入らなくても無失点でいる限り、負けることはない」と言うように、流通経大柏には攻めあぐねてもブレない絶対的堅守がある。優勝したインターハイでも、大会全体の失点数は、次の対戦相手・長崎総科大付に喫した1点のみだ。
「プロ内定者みたいな、できれば強くて恐い選手とマッチアップしたい。相手が強力であればあるほど、自分は燃えるんで。こういう舞台も、自分は楽しんじゃうタイプで、全然緊張しません」
そう語った関川の表情には、確固たる自信がにじみ出ていた。一発勝負の舞台で、チームの歯車が合わず、点が入らない展開も、ときには起こり得る。過去にもそうやって敗退してきた強豪校も数知れないほどだ。そんな時、関川のような“空中戦の制圧者”ほど、チームとってこれ以上、心強い存在はいないだろう。
(THE ANSWER編集部)