高校サッカーで完封するには? 名将に叩き込まれた流経大柏DFが語る鍵は“バウンド”
サッカーでありがちなのは、試合の主導権を握り、幾度となく決定的なチャンスを生み出しているにも関わらず、あと一歩が遠く焦れている間に、相手にポンっと入れられたロングボールで裏を取られ、あっけなく失点を喫してしまうような展開だ。勝敗というのは、案外そういう形で決してしまうこともある。そんな時、どんなロングボールも弾き出す“空中戦の制圧者”がいれば――。
流経大柏の2年生DF関川郁万の奮闘で2戦連続完封…日章学園に1-0で8強進出
サッカーでありがちなのは、試合の主導権を握り、幾度となく決定的なチャンスを生み出しているにも関わらず、あと一歩が遠く焦れている間に、相手にポンっと入れられたロングボールで裏を取られ、あっけなく失点を喫してしまうような展開だ。勝敗というのは、案外そういう形で決してしまうこともある。そんな時、どんなロングボールも弾き出す“空中戦の制圧者”がいれば――。
第96回全国高校サッカー選手権大会は3日、各地で3回戦が行われ、インターハイ王者・流通経済大柏(千葉)は日章学園(宮崎)に1-0で勝利した。
この日の流通経大柏は、前日に3-0と快勝した大分西との2回戦とは異なり、どれだけシュートを打ってもネットを揺らすことができない、もどかしい試合展開が続いた。エースMF菊池泰智(3年)のバー直撃のシーンを含め、前半だけで4度決定的なシュートがあった。それでも、スコアを動かすには至らなかった。
インターハイ王者が攻勢に出ることを想定していた日章学園は、立ち上がりからロングボールで前がかりになる相手の裏を狙う戦術を取り入れていた。数多くの決定機を逸し続ける流通経大柏、耐え忍びながら虎視眈眈と裏を狙う日章学園。波乱が起きてもおかしくはないような展開だ。
しかし、そんな日章学園のロングボールをことごとく弾き返す屈強のエアバトラーがいた。DF関川郁万(2年)。前半に計6度、ロングボールを放り込まれたが、関川は全てヘディングで弾き出し、相手に付け入る隙を与えなかった。
「ヘディングでは負けない。どんな相手でも潰し切る。シュートは何度打っても点が入るとは限らない。だから最終ラインもそこを理解して焦れないように粘り強く守る。『焦れない』というのは自分たちにとって肝になる言葉」
関川は試合後、自信と責任感に満ちた表情でそう語った。チームは後半27分のMF加藤蓮のゴールを守り切り、2戦連続の完封勝利を成し遂げた。