「山に答えがあるとしたら…」 登山界の“アカデミー賞”受賞者が山岳部へ伝えた事
逆境にこそ生きる力「山登りをしている人は考える力が高い」
生徒たちを引率する顧問の先生たちも、コロナ禍によるインターハイ中止やテント泊などが出来ない状況について想いを語った。
「皆で協力しあい、達成感を味わえる。登山を通し、そういった楽しさを生徒たちに伝えたいと思います。今、残念なのは、友達と一緒に泊まったりご飯を食べたりの経験が出来ないこと。テントに泊まり、友達と夜、話を楽しむ。そういう経験をさせてあげたい」。群馬県の高校の先生の言葉に、花谷さんもうなずきながら聞き入った。
授業の最後は花谷さんから高校生へ、力強いエールの言葉が送られた。
「今年はインターハイがなくなったり、思うように部活動が出来なかったりと、つらいことが続いていると思います。だけど、これはずっと続くわけではないし、こういったイレギュラーな状況は山登りをしていると常に起こると思う。山登りをしている人は、(イレギュラーな状況にぶつかっても)“では次はどう動こうか?”と、考える力が高いと思うので、めげずにみんなで前を向いていきましょう!」
「森や自然が大好きです」「おばあちゃんになっても山を登っていきたい」「高校で部活動を終わっても、知識と技術もつけて雪山にチャレンジしたい」。質問の際、参加者それぞれが山や山岳部への思いを口にしながら進んだ今回のオンラインエール授業。山や自然への愛情が伝わってくる、笑顔の絶えない授業となった。
■オンラインエール授業 「インハイ.tv」と全国高体連がインターハイ全30競技の部活生に向けた「明日へのエールプロジェクト」の一環。アスリート、指導者らが高校生の「いまとこれから」をオンラインで話し合う。授業は「インハイ.tv」で配信され、誰でも視聴できる。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)