「優勝の瞬間はあっけない。でも大事なのは…」 世界一の空手家が高校生へ伝えたい事
進路に悩む高校生には「迷いの道は一生続きます」
最後のテーマは『進路』。「高校卒業後のことはまだ何も決めていない」という生徒には、自身の学生時代をなぞりつつ言葉を送った。
「人生には、色々な分かれ道があります。例えば私は中学から高校に進学するとき、2つの道で迷いました。制服も髪もおしゃれを楽しむ高校生活か、毎日、空手漬けの高校生活か。泣くほど悩みましたが(笑)、空手が好きだったから、後者に決めました。
大学進学のときも、また2つの道で悩みました。その時は、空手を続けるうえで自分に足りなかった部分を考え、精神的に強くなりたいと思い、国士舘大学を選びました。
迷いの道は一生続きます。その時は大事な人に相談すること。でも、人の意見を鵜呑みにするのではなく、自分の意志を大事にしながら、やりたいことをしっかりと見極め、道を選ぶとよいと思います」
授業の最後に、いつまでも新鮮な気持ち、キレイな気持ちを持って、空手を続けてほしい。目標を持って一つひとつ前進してほしい、と言葉を送った宇佐美さん。
「高校生活、悔いの残らないように過ごしていけば、必ず、将来役に立ついい経験になると思います。そして、自分の道を自分の意志で、しっかり歩んでいってほしい。応援しています!」
宇佐美さんの世界に通じる道は、高校時代にスタートした。この事実は高校生活を送るすべての空手家にとって、これ以上ない心強いエールとなっただろう。
■オンラインエール授業 「インハイ.tv」と全国高体連がインターハイ全30競技の部活生に向けた「明日へのエールプロジェクト」の一環。アスリート、指導者らが高校生の「いまとこれから」をオンラインで話し合う。授業は「インハイ.tv」で配信され、誰でも視聴できる。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)