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「試合で目指すのは練習の平均」の理由 アーチェリー古川高晴が高校生に届けたエール

「この舞台でもう一回」から出続ける五輪、高校生の心を射抜いたメッセージ

「五輪に出たい、メダルを獲りたいと意識し始めたのはいつ頃?」という質問には、「初めて五輪に出た後だった」と明かした。

「初出場は2004年のアテネ大会ですが、どんな点数と成績を出せば五輪に出場できるかなど、まったく意識していなかった。ただ目の前の大会を頑張っていたら出ちゃった、という感じでした。

 初めての五輪は本当に夢舞台で、楽しいという想いが一番だった。でも、2回戦で負けてしまい『この舞台でもう一回、勝負したい』と思った。それからは(メダルではなく)自分の力はどれだけ世界で通用するのだろう、と意識してずっとやってきたので、少しずつ力がつき、ベスト16、ベスト8と順位が上がっていきました」

 目の前のことに一つひとつ、取り組むことの大切さ。それは、進路選択に迷っている、という質問のアドバイスにも共通していた。

「例えば将来の就職まで考えて、進学先を決めるということもあると思います。でも、例えば大学に進学したとしても、4年の間に目標がガラッと変わることもあります。

 僕は大学で4年間もアーチェリーをするのなら、一番強いところで勝負をしよう、と思い、近畿大学に進学しました。また、当時は将来、地元で高校の先生になり、アーチェリーを指導したい、とも思っていた。そのため教職課程がとれる大学であることも進学先の条件でした。ところが、大学2年時に五輪に出場し、ずっと選手として生活する道もあると知って目標が変わった。ですから進路に迷ったら、次の次を考えるのではなく、一つ先の進路を充実させる道を選ぶといいと思います」

 1時間の授業は最後、古川から高校生へのエールをもって終了。「夢や目標を決めたからには、1日1日、叶えるための努力を続けてください。頑張れば、必ず結果はついてくると思います」。高校時代から貫く自らの生き方そのものの言葉はきっと、高校生たちの心を射抜いたに違いない。

■オンラインエール授業 「インハイ.tv」と全国高体連がインターハイ全30競技の部活生に向けた「明日へのエールプロジェクト」の一環。アスリート、指導者らが高校生の「いまとこれから」をオンラインで話し合う。授業は「インハイ.tv」で配信され、誰でも視聴できる。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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