「後ろ向きに漕ぐから見えない世界にいける」 “ボートの鉄人”が高校生に贈るエール
卒業後も続けてほしい競技「ボートは年をとるほど強くなる」
大学で、社会人チームで、そして個人で。ボートを続ける道は色々あるので、高校を卒業してもぜひ、続けてほしい、と続けた。
「ボートは年をとるほど強くなる。高校生なんて、これからどんなに強くなれるかわからない。羨ましいです。
地方出身で高校も無名だった僕は、大学で全日本選手権やインカレに出場しても、最初は誰も応援してくれず、悲しかった。でも、勝ち進むほど仲間が増え、別の大学の選手が『大作、頑張れよー!』と、土手から声をかけてくれるようになった。今では海外にも、大会で会えば声を掛け合える仲間がいる。人とのつながりが(ボートで得た)僕の財産です」
授業の終わりには、2022年に開催される四国インターハイに触れつつ、高校生にエールを送った。
「2022年のインターハイは、私の地元の愛媛でボート競技が行われます。1年生の皆さんとは必ず、愛媛でお会いしたい。皆さんには未来があり、楽しいボートライフがあります。ぜひ続けて、いろんな発見や出会いを経験してほしい」
今年の10月に開催予定だった、第75回かごしま国体も延期となった。開催地である鹿児島県から参加した3年生の男子選手は終了後、晴れやかな表情で授業を振り返った。
「(コロナウイルス禍で)国体が延期になり。モチベーションなかなか上がらなかった。苦しい場面はあったが、武田さんの話を聞いて、卒業後、就職してからも、ボートを続けていけばいい、これからまた、頑張っていこうと思えるようになりました」
■オンラインエール授業 「インハイ.tv」と全国高体連がインターハイ全30競技の部活生に向けた「明日へのエールプロジェクト」の一環。アスリート、指導者らが高校生の「いまとこれから」をオンラインで話し合う。授業は「インハイ.tv」で配信され、誰でも視聴できる。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)