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「もがくことから逃げないで」 川口能活&那須大亮が高校生に届けた「エール」の意味

最後の夏を失ったサッカー部員へ、偉大な“先輩”の2人が熱いエールを贈った。サッカー元日本代表GK川口能活さんとアテネ五輪日本代表の那須大亮さんが27日、「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開する「オンラインエール授業」に登場。インターハイが中止となった高校生に向け、「もがくことから逃げないで。半歩でもいいから、前に進もう」と背中を押した。

「オンラインエール授業」に登場した川口能活さん(左)と那須大亮さん【写真:編集部】
「オンラインエール授業」に登場した川口能活さん(左)と那須大亮さん【写真:編集部】

川口能活さん、那須大亮さんが「オンラインエール授業」で高校生120人と交流

 最後の夏を失ったサッカー部員へ、偉大な“先輩”の2人が熱いエールを贈った。サッカー元日本代表GK川口能活さんとアテネ五輪日本代表の那須大亮さんが27日、「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開する「オンラインエール授業」に登場。インターハイが中止となった高校生に向け、「もがくことから逃げないで。半歩でもいいから、前に進もう」と背中を押した。

 オンラインで120人の高校生の心が一つになった。川口さんと那須さんが登場した「オンラインエール授業」はインターハイ実施30競技の部活に励む高校生をトップ選手らが激励し、「いまとこれから」を話し合おうというもの。4月26日の中止決定からちょうど1か月となった前日(26日)の第1回・村田諒太に続き、第2回となるこの日はサッカー界を代表して2人が“先生”になった。

 最初に伝えたのは汗を流し、ボールを追いかけた青春の日々だった。川口さんは静岡の清水商(現・清水桜が丘)と、那須さんは鹿児島の鹿児島実という高校サッカーの名門出身。同じようにインターハイ出場を目指し、ともに週6日の練習に励んでいた。

川口「僕はサッカー一筋でしたね。サッカー漬けの毎日。朝練は7時から。その後は授業があり、終わったら部活。休みは月曜。それ以外はサッカー漬けの高校生活を送っていました」

那須「僕も高校生活はほぼサッカーです。住まいも下宿。朝練があり、授業が終わったら部活があり、その後は自主練。一日フルに練習する。月曜以外はサッカー漬けの毎日でした」

 強豪校ならではのハードな練習。そんな中でも成長するため、大切にしていたのは「目標設定」だった。川口さんは4つの目標を紙に書き、自室の壁に張った。「1.チームでレギュラーになる 2.県選抜に選ばれる 3.アンダー世代の日本代表に選ばれる 4.冬の全国選手権に優勝する」――。いつも、決意を込めた1枚の紙を見てモチベーションを高め、練習に飛び出していったという。

 2人の青春時代を知った高校生だったが、新型コロナウイルス感染拡大により、史上初のインターハイ中止が決定。夏の目標にしてきた舞台を奪われた。質問コーナーでは、高校生から「練習で苦しくなったり、チームが苦しくなったりした時はどうしていますか?」と声が上がった。すると、那須さんは「今は苦しい? 大会、試合ができないから?」などと問いかけ、心中を慮った。

「苦しい、つらい気持ちを絶対に忘れないでほしい。その気持ちを持つことは悪いことじゃないので、ネガティブな方向に持っていかない。今、感じているのはすごく大切な感情だから。でも、『苦しい、つらい』から学び・支えにしようと思う努力をすると、自分の行動が変わる。今は素直な気持ちを言うことはいい。でも、ここで立ち止まってしまうと、目標の遠回りになるから」

 大切なことは、今の自分から逃げず、否定せず、まっすぐに向き合うこと。その上で、発想を変えていく必要性を訴えかけた。

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