サッカー王国はなぜ勝てなかったのか 24年ぶりV静岡学園が育んだ“個”の重要性
第98回全国高校サッカー選手権の決勝が13日、埼玉スタジアム2〇〇2で行われ、静岡学園(静岡)が青森山田(青森)に3-2で勝利。両校優勝だった1995年以来、24年ぶり2度目の優勝を手にした。静岡県勢としても24年ぶりの優勝。長らく頂点から離れていたサッカー王国の現状に、川口監督は持論を唱えた。
県勢としても24年ぶりのV、川口監督が語ったサッカー王国・静岡の現状
第98回全国高校サッカー選手権の決勝が13日、埼玉スタジアム2〇〇2で行われ、静岡学園(静岡)が青森山田(青森)に3-2で勝利。両校優勝だった1995年以来、24年ぶり2度目の優勝を手にした。静岡県勢としても24年ぶりの優勝。長らく頂点から離れていたサッカー王国の現状に、川口監督は持論を唱えた。
優勝を告げるホイッスルを聞き、我を忘れて喜んだ。0-2から3点を返す逆転勝利。創立初の単独優勝を成し遂げたイレブンと興奮を分かち合った。川口監督は「(5万人超の観衆が集った)すごい環境の中で、結果を出せた、0-2からひっくり返せたというのもある。我々からすると夢の世界と一緒。初体験なので。こんなに大勢の中、しかも青森山田さんという絶対王者。勝利の仕方も劇的だったというのもありますし、正直心の底からうれしかった」と優勝の瞬間について表現した。
静岡学園が優勝した1995年以来、サッカー王国と言われた静岡のチームが頂点に上り詰めることはなかった。過去5年間で言えば、県勢は全て初戦敗退していた。なぜ、全国で勝てなくなっていたのか。川口監督は「自分の考えですけど」と何度も前置きし、答えた。
「いろいろな要因があると思うんですが、昔の強い時の静岡は個性的な選手がすごく多かった。今、一番重要視されている“個”の力が静岡の特徴だった。そういう選手がちょっとずつ減っていった。昔はもちろん勝負強い静岡だったが、その中にしっかりとした個があった。すごいスーパースターが各チームにいて、そういうチームが全国に出てチャンピオンを取っていた」
藤枝東の中山雅史、清水東の武田修宏、長谷川健太、清水商の藤田俊哉、名波浩、川口能活……。枚挙にいとまがないほど“個”の強い選手が静岡から育っていった。それが、Jリーグの発足などにより、全国に選手が分散するようになってから変わってきたのではないかとも感じている。