「代表は父のコネ」涙した中国フィギュア女子 北京五輪でも起きた“SNSの誹謗中傷”
4日に開幕した北京五輪も折り返しを迎えた。多くの金メダリストが生まれ、感動を与えた一方で、競技外でクローズアップされた話題も多かった。東京五輪に続き、課題となったのは「アスリートへの誹謗中傷」だ。
北京五輪も折り返し、競技外でクローズアップされた課題
4日に開幕した北京五輪も折り返しを迎えた。多くの金メダリストが生まれ、感動を与えた一方で、競技外でクローズアップされた話題も多かった。東京五輪に続き、課題となったのは「アスリートへの誹謗中傷」だ。
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その象徴となったのが、フィギュアスケート女子の中国選手、ジュ・イー(朱易)だ。団体戦女子ショートプログラムに出場したが、転倒が響いて10人中最下位。米国生まれで18年に中国籍を取得、中国語があまり上手ではないことも相まり、中国国内の誹謗中傷の的になった。その後のフリーも転倒が相次ぎ、演技後は涙ながらに客席に頭を下げた。心ない声はやまず、多くのSNSアカウントに停止措置が取られたという。
「代表は(権威ある科学者の)父のコネ」など根拠のない噂まで出回り、中国国内でも、それを諫める声が上がった。中国メディア「観察者網」は、地元紙「環球時報」の元編集長・胡錫進氏のコラムを掲載。「決してあってはならぬ 転倒した女子フィギュア朱易に対するネットの暴力」と題し、SP後に訴えた。「唯一の女子シングル出場権を『コネ』で得たなどいう推測は実にばかばかしい」と斬り捨てた。
東京五輪でもSNSの中傷とアスリートのメンタルヘルスが問題になった。体操のリオ五輪女王シモーン・バイルズ(米国)は連覇がかかった個人総合決勝を棄権。精神的ストレスを理由に挙げた。日本では誹謗中傷を受けたアスリートがSNSで声を上げ、社会問題に。今大会前にはスポーツ庁の室伏広治長官が国民に対し、SNSの運用に注意を呼びかける異例もメッセージも同庁サイトで発信していた。
しかし、今回も起きてしまった「アスリートへの誹謗中傷」。室伏長官のメッセージには「アスリートも一人の人間」とある。北京五輪も後半戦に突入。懸命な努力の末にオリンピックという舞台に立ったアスリートへのリスペクトが求められる。
(THE ANSWER編集部)