2年連続ウィンブルドン棄権、錦織圭は“負の連鎖”から抜け出せるか
テニスのウィンブルドン男子シングルスで2年連続棄権となった錦織圭(日清食品)。錦織が苦しんでいる脇腹の負傷について、元サッカー日本代表MF中村俊輔(横浜F・マリノス)の専属トレーナーを務める新浦安しんもり整骨院入船院の新盛淳司院長に発症の要因や対策などを聞いた。
錦織圭の負傷を専門家はどう見る?
テニスのウィンブルドン男子シングルスで2年連続棄権となった錦織圭(日清食品)。今大会は第5シードで臨んだが、4回戦で第9シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦した際、左脇腹痛により第2セット途中で棄権となった。
その直前、ドイツのハレで行われたゲリー・ウェバー・オープンでも左脇腹痛のためにシングルス2回戦を棄権。錦織が苦しんでいる脇腹の負傷について、元サッカー日本代表MF中村俊輔(横浜F・マリノス)の専属トレーナーを務める新浦安しんもり整骨院入船院の新盛淳司院長に発症の要因や対策などを聞いた。
「錦織選手の脇腹の怪我は、おそらく腹斜筋と言われる筋肉の肉離れの可能性が高いと思います。腹斜筋は、体をひねる時に使う筋肉の一つです。筋肉は伸ばした後、一気に縮める瞬間に、肉離れと呼ばれる故障が発症しやすい状況になります。ですから、テニス、野球、ゴルフというスイングを伴う競技、体をひねる動作が多いスポーツの選手が苦しむことの多い怪我と言えます」
錦織がウィンブルドンのコートで苦悶の表情を浮かべた故障について、新盛院長はそう分析した。腹斜筋とは内腹斜筋と外腹斜筋で構成される脇腹のインナーマッスルで、体をひねる動作などで使用する。
「身長178センチの錦織選手の場合、海外のトッププレイヤーとの体格差を埋めるために、常に全力でのプレーを見せています。ボールの上がり際をジャンプしながらフォアハンドで打ち込む“エア・ケイ”というストロークに代表されるように、体を目いっぱいひねり、反動を使ってボールに伝わる力を増幅させています。そうなると、怪我のリスクは、高くなります」