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箱根の勝負を分ける“心の整え方” ある選手はレース前日に「走れない」と嘆いた

お守り、深呼吸、体をさする…心を整える「儀式」が重要に

 ですから、選手たちにとって、心を整える「儀式」はとても重要。お守りを身に着ける、深呼吸をする、体をさする。ゲン担ぎを否定する人もいますが、小さなことが、極限状態の選手たちを落ち着かせます。

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 そして、レース前、選手たちが明らかに動揺している時、私たちトレーナーは何をするべきか? まず、一番してはならないのは「自分だったらどうするか」と考えること。話かけてほしい、一人にしてほしい、笑わせてほしい、戦況を把握したい、音楽を聴いていたいなど、心を落ち着けたい、集中力を高めたい時に求めることは、人それぞれ。ですから青学でも必ず、どうサポートしてほしいかを、学生の付添人と一緒に、選手一人ひとりにヒアリングします。フィジカルをみるだけでなく、選手にかかるプレッシャーというストレスに対し、どう向き合い、ケアをしていくかを考えることも、我々トレーナー陣の仕事の一つなのです。

 選手たちは、積み重ねた練習の成果を本番で発揮し、良い走りをすべく、大きなプレッシャーをはねのけて走ります。箱根を走るすべての選手の素晴らしい走りを一緒に願い、応援しましょう!

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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