ドラゴン久保のアジアカップ・日本―ベトナム戦分析第3回

　サッカー・アジアカップカタール大会は14日、グループリーグ初戦で世界ランク17位・日本が同94位・ベトナムに4-2で白星発進した。一時逆転を許しながら再逆転で勝利を飾ったアジアNo.1への船出。2022年のワールドカップ（W杯）カタール大会で独自の解説がひそかに話題となった元日本代表FW久保竜彦が1年ぶりに東京・中目黒にあるTHE ANSWER編集部を訪問し、試合を観戦。日本の初戦を分析した。全3回の第3回。「余裕を持ってプレーできた選手が遠藤だけ」と課題を指摘したが、FWで今大会の覚醒を期待する選手が一人いる。長く日本代表を引っ張って来た大迫勇也の後継者とみるストライカーとは――。（取材・構成＝THE ANSWER編集部・神原 英彰）

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　カタールW杯が終わってから、日本はボールが前にある時間帯は多くなったと思う。（コーチに）名波さんが入ったのもあるんかな。

　やっぱ、人を変えるっていうのは大事やもんね。3、4年やっとったら、慣れるけんね。選手も変えているし。そこは、うまくバランスが取れてる。1-2になっても負ける気がせんかったのは底力よ。ただ、さっきも（第2回の記事でも）言ったけど、余裕を持ってプレーしてFWの真ん中で収まるやつがおらんとね。

　速攻だけやと駄目よね。収まってからの速攻やもんね、効くのは。予選では大丈夫でも、上に行って勝ち残るには収まるのと速攻がないと。速いやつは必要やけど、あれ（収まる選手）がおらんと、浅野とか速いやつも生きんし。それを作るのが一番やろな。

　そうなれる感じがするんは上田よね。

　ダメ押しの4点目のシュートは（リズムが）「タン！　タン！　パーン！」やったね。（シュートの）振り、速かったもんな。あの一発だけやけど、ああいうのを重ねていってたら変わるから、選手は。

　やっぱ、上田はシュートが速いんよ。あれって絶対（DFからすると）怖いから。GKも分かんないタイミング。通らなさそうなところをボールが通っていくんよ、振りが速いと。普通の振りやと分かるから、相手のDFも。足を出せば当たる。

　だから、あれが当たらないのは理由がある。運じゃないけんね。振りが速いから。タイミングが人と違うから。あんな密集を通っていく。通る理由がある。（DFに）ポーンと当たって入るシュートもそう。速いけん、ゴールに入る。そういうのはセンスよ。

　たぶん、上田にはまだ自信がないんかな。代表何試合目か知らんけど。それ（経験）を重ねて「（これが）俺や！」っていうのを掴んだら「俺に合わせろ！」ってできる。それで良くなっていくと思うんよ。29歳くらいかと思ったら、25歳なんやろ。まだ全然これからよ。

　あれができたら（2列目も）南野、堂安、久保とかも楽にシュートを打って終われる展開になる。だから、森保さんも（そういう存在を）探してるんやろな。