骨折トラウトの今季復帰は可能か 「骨がつきにくい部位」で3か月要する予想も…専門家が解説
米大リーグ・エンゼルスは4日(日本時間5日)、マイク・トラウト外野手が左手首(有鉤骨)骨折のため10日間の負傷者リスト入りすると発表した。2014年シーズン以来となるプレーオフ進出の鍵を握る主砲が手痛い離脱となったが、有鉤骨とはどのような部位なのか。今季中の復帰は可能なのか、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
「左有鉤骨の骨折」と復帰プロセスを専門家が解説
米大リーグ・エンゼルスは4日(日本時間5日)、マイク・トラウト外野手が左手首(有鉤骨)骨折のため10日間の負傷者リスト入りすると発表した。2014年シーズン以来となるプレーオフ進出の鍵を握る主砲が手痛い離脱となったが、有鉤骨とはどのような部位なのか。今季中の復帰は可能なのか、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
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有鉤骨とは、手のひらの小指側にある骨です。フックのような突起があり、そこに強い衝撃が加わることで骨折するケースがあります。
有鉤骨骨折は野球、ゴルフ、テニスなどの競技でスイング時に生じるストレスによって発症することが報告されています。トラウト選手は打席でファウルチップした後に異変を訴えていましたが、バッティングの際のグリップが有鉤骨のフック部分に当たることも、骨折の直接的な要因となります。
トラウト選手のように、ファウルチップの際に発症することは少なくありません。バットの端にインパクトした際の反作用で、グリップに大きなストレスがかかります。手首にいつもの打撃以上に、強い負担がかかるケースが増えます。
トラウト選手ほどのワールドクラスのスラッガーですと、スイングスピードが通常の打者よりも一層高まるので、手首へのストレスはさらに増加する傾向にあります。
治療ですが、一定期間固定をして骨の修復を待つ保存療法か、それが望めない場合、手術が行われる場合もあります。手術は、骨片を摘出するか、骨片を接合する手術があります。骨がつきにくい部位であることは間違いありません。
「また折れるのでは」という心理的なストレスから競技パフォーマンスを低下させるリスクを避ける為に手術を選択する場合もあります。
実戦復帰までは2か月以上かかるケースが一般的ですが、手術の場合、3か月以上要することも予想されます。
いずれにしても、復帰に関しては骨の癒合の状態とともに、不安なく強いスイングが可能になるかがポイントになります。負傷直後で復帰時期を予想するのは困難ですが、段階的に復帰していく事になります。
プレーオフ争いで正念場のエンゼルスにおいて、戦力的に不可欠なトラウト選手。1日も早くグラウンドに戻ることを祈っています。
(THE ANSWER編集部)