ジャッジ復帰に最大8週間以上の場合も 大谷翔平とのHR王争いを左右、「右足親指靭帯の断裂」とは
米大リーグ・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が「右足親指靭帯の断裂」で戦線離脱している。3日(日本時間4日)の敵地ドジャース戦の守備で外野フェンスに激突しながらキャッチするファインプレーの代償で、負傷者リスト(IL)入り。本人は「珍しい怪我」と語り、復帰の見通しを明らかにしていない。昨季のア・リーグMVP、今季もエンゼルス・大谷翔平投手の本塁打王とMVP争いのライバルと目されるスラッガーの親指靭帯損傷と復帰のプロセスについて、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
「右足親指靭帯の断裂」と復帰のプロセスを専門家が解説
米大リーグ・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が「右足親指靭帯の断裂」で戦線離脱している。3日(日本時間4日)の敵地ドジャース戦の守備で外野フェンスに激突しながらキャッチするファインプレーの代償で、負傷者リスト(IL)入り。本人は「珍しい怪我」と語り、復帰の見通しを明らかにしていない。昨季のア・リーグMVP、今季もエンゼルス・大谷翔平投手の本塁打王とMVP争いのライバルと目されるスラッガーの親指靭帯損傷と復帰のプロセスについて、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
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ジャッジ選手の故障のシーンとされるプレーの映像は何度も確認しました。MLB公式サイトでも「腹斜筋やハムストリングの怪我なら復帰までのプロセスを持っているが、この怪我はかなり特殊」という悩ましいコメントが紹介されていました。
今回は「右足親指靭帯の断裂」という報道ですが、本人のコメント内容を聞いて真っ先にイメージするのは、側副靭帯(そくふくじんたい)という、親指の側面にある靭帯です。
これは親指が横方向に曲がりすぎないように補強する役割があります。右足親指の側副靭帯には左足側の内側(ないそく)と人差し指側の外側(がいそく)がありますが、ジャッジ選手が今回痛めたのは内側靭帯と推察します。
内側側副靭帯断裂の場合、親指が人差し側に曲がりやすくなり、極端な例ですが、外反母趾のような状態になる事もあります。
親指の側副靭帯損傷は、柔道や格闘技など裸足で行う競技に多く見られます。過度に体重がかかったり、強打した際に受傷します。サッカーでも地面や相手を蹴ってしまった際に起こります。日常生活でも思い切り机の足に親指をぶつけてしまった人が、実はこの靭帯を損傷していたというケースもあるのです。
外野手のジャッジ選手は守備や走塁ではダッシュ時に、打撃では体重移動で右足の親指に大きなストレスがかかります。この際に痛みが出る可能性があります。