フィギュア演技中に登場する「パンケーキ」とは スピンの種類と違いを中野友加里が解説
アップライトスピンから派生して名前がついたものは?
――アップライトスピンから派生したもので名前がついているものは。
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「おそらく種類が最も多いのではないかと思いますが、例えば、私たちがバックスクラッチと呼んでいるもの、一般的には高速スピンと呼ばれるものもアップライトスピンです。あとはポジションが変わりますが、レイバックもアップライトスピンの一つ。あとはレイバックスピンからポジションを変えたヘアカッター、ほかにビールマンスピン、I字スピン、Y字スピン、トンプソン、そして羽生結弦選手も取り入れているフォワードスピンのA字スピンなどがアップライトスピンとして挙げられ、よく使われているバリエーションです」
――シットスピンはいろんな形がありますが、それを総称してシットスピンなんでしょうか。それともシットスピン中でも名称はあるのでしょうか。
「あります。シットスピンは文字通り、座るということなんですけれども、座るという姿勢の中でも結構細かいルールがあります。スケーティングレッグの大腿部が(リンク)氷面と平行と決められていることなど。シットスピンから派生したもので、よく使われるのがフライングシットスピン。スピンの前にジャンプをして跳び上がり、その場で着氷して回るスピンです。あとはキャノンボールスピンと呼ばれる、頭と膝をくっつけて回るスピンです。サイドウェイズといって、シットから横に沿って回るもの。さらに、パンケーキと呼ばれているもの。シットスピンは基本的に前に足が出ていると思いますが、その足を後ろに入れたり前に出たりして。見た目がぺったんこに見えるので、パンケーキと呼ばれているスピンなどがあります」
――キャメルスピンもお願いします。
「上体と片足(フリーレッグ)を氷面と平行の位置に保ち、体がT字型のようになって回る姿勢がキャメルスピンです。先ほどのフライングシットスピンと一緒ですが、スピンの前にジャンプをするフライングキャメルスピンがあり、その場で跳んで、着氷して回るスピンです。そして、バリエーションではキャッチフットスピンと呼ばれる、ジェイソン・ブラウン選手(米国)の十八番で特徴として挙げられる、キャメル姿勢から上体を反らして頭より上でフリーレッグのエッジを手で持つ状態のスピン。
あとは先ほどのシットと同じようにキャメルの姿勢からのサイドウェイズ、上を向いて反ったりする(別名バトン・キャメル)キム・ヨナ選手(韓国)などがよくやっていたキャメル・アップワード姿勢のスピンです。そして、今回のテーマでもある、キャメルスピンの変形で後ろに上げた足を後頭部につけるように行うドーナツスピンはちょっと難しく、難度が上がるものとなっています。キャメルスピンの中でもアウトサイドに回ったりインサイドに回ったりすることでも、難度が上がりレベルを確保するものになってきます」