フィギュア大会後の「バンケット」って何? 選手にとって意外な“敵”との闘いとは
元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。16問目は「大会後にやるバンケットって何?」。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#94 中野友加里が答える「17のギモン」16問目
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。16問目は「大会後にやるバンケットって何?」。
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ビギナーファンにはあまり知られていないが、フィギュアスケートには「バンケット」と呼ばれるイベントがある。
簡単に言えば、大会後に行われる晩餐会。コロナ禍は実施されていないが、競技を終えた選手にとって楽しみの多い宴だ。中野さんは「現役を引退した今となっては『大会お疲れ様パーティー』ですね」と振り返り、説明する。
「大会主催者が開催してくださるパーティー。競技終了翌日のエキシビションが行われた後、出場した選手、コーチ、審判の皆さんが参加します。食事をしながら国籍を問わず交流し、大会によってはそこで表彰式も行われていました。大会でしか会えない仲間も多いので海外の選手と一緒に写真を撮ったり、ペアやアイスダンスなど他の種目の選手たちと思い出を作ったりを多くの選手とした思い出があります」
SNSが発達した最近は、国や種目の壁を越えて撮影した写真を選手たちがアップし、ファンを喜ばせてくれる。また、開催国によって趣向を凝らした宴に。日本開催の大会で日本選手が着物で出席したこともある。
「私が思い出深いのは2008年に行われたスウェーデンの世界選手権。バンケットとともにディスコのようなダンスがあり、選手みんなで踊っている。そういうダンスに苦手意識のあった私に高橋大輔選手が『一緒に踊りに行こう!』と誘ってくれるけど、いざ行ってみると私を放置して一人で踊っていらしたことも……(笑)。ほかにも、長いと明け方まで夜通しやっていたこともあります。成人している選手はアルコール類も用意されていたので、みんなで踊って、いつまでも盛り上がりました」