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フィギュアスケート靴の知られざる秘密 技術革新が“ジャンプ高難度化”の背景に?

元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。15問目は「フィギュアスケート選手の靴ってどうなってる?」。

フィギュア女子で金メダルを獲得したアンナ・シェルバコワ、靴の進化もジャンプ技術の後押しに【写真:AP】
フィギュア女子で金メダルを獲得したアンナ・シェルバコワ、靴の進化もジャンプ技術の後押しに【写真:AP】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#87 中野友加里が答える「17のギモン」15問目

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。

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 元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。15問目は「フィギュアスケート選手の靴ってどうなってる?」。

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 フィギュアスケート選手にとって衣装とともに欠かせない靴。しかし、なかなかクローズアップされることがない。3歳でスケート靴を履き、20年以上にわたって現役生活を送った中野さんが明かす。

「まず、値段は安いものから高いものまでさまざま。初心者の方はエッジも含め、2~3万円で購入できます。トップ選手は15万円前後といったところでしょうか。私は足型を木で取ってもらい、それに合わせてメーカーに発注。海外製を輸入する選手は一度、オーブンで温めてから履き、馴染ませて冷ます。そうやって自分の足型に合わせる工夫をしていました」

 靴本体を1年ほどで交換し、消耗により研磨しながら使うエッジは2~3年で交換していた中野さん。「ただし、それも人それぞれ。(靴本体は)半年で替える人もいます」と明かす。靴の感覚は演技に大きく影響する。

「いくら自分の足型で作ったとしても、人が作ったものなので多少のズレが生まれ、合う合わないがどうしても出てきてしまいます。そのズレによって、ほんの体重のかけ方ひとつでジャンプが跳べなくなったり、上手く滑れなくなったりする。フィギュアスケートの靴はとても繊細です。『ああ、靴が合わないな』という選手のコメントを聞いたら、そういう状態にいます」

 中野さんが現役時代に履いていたスケート靴は両足合わせて3キロ弱。しかし、今は技術の進化で2キロを切るほどまで軽くなったという。「トリプルアクセル、4回転ジャンプなどの高難度のジャンプを跳べる選手が増えたという背景もあります」と競技力にも影響を与えている。

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中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

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