フィギュア選手の親って大変? 「お金がかかる」と言われる競技、コーチ料の相場は…
元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。14問目は「フィギュアスケート選手の親って大変?」。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#84 中野友加里が答える「17のギモン」14問目
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。14問目は「フィギュアスケート選手の親って大変?」。
◇ ◇ ◇
幼少期から競技を始めることが多いフィギュアスケート選手。成長を見守る保護者も親子二人三脚で戦うことも、特徴の一つだ。3歳でスケートを始めた中野さんも両親の支えに深い感謝を持っている。
「一番は選手より早起きすること。リンクも近所にないことが多く、小さいうちは送迎も必要で、お弁当も作る。6時から早朝練習の日もありました。お母さんたちは何時に起きるんだろうというくらい。週6日練習があり、練習中はビデオも回してもらい、本当につきっきり。自分の時間なんてなかったのではないかと思います。今、私自身が母になって、よりその凄さが分かります。父は仕事があるので、土日の送迎をしてくれました」
「お金がかかる競技」と言われるが、金銭的な負担はやはり大きい。
「まずはスケート靴ですが、実は靴とエッジはそれぞれ別のメーカーに売られています。10代の若手選手でも良い物を揃えると、靴本体で7~8万円、エッジが8万円前後。衣装は、初めのうちは母の手作りで節約していましたが、シニアになり、国際大会になると専門のデザイナーに発注するようになりました。ヨーロッパでは10万円弱で頼めることもありますが、トップ選手でこだわりのある選手は50万円以上かけることがあると聞きます。
用具だけではなく、所属クラブがないと大会に出られません。クラブに属するということは先生につくということ。先生にお支払いする月謝に、練習するリンクの施設使用料など。コーチの指導料は30分2000~4000円が相場でしょうか。トップ選手になると、海外に合宿に行く選手も多いのですが、飛行機にホテル代、レンタカーも含め、自己負担。振付師やコーチにお支払いする日当もあり、費用はかなり膨らんできます」
だからこそ、大きな存在になるのが所属先のスポンサー。中野さんも現役時代はプリンスホテルに所属し、サポートを受けた。「私の時代に比べれば、スポンサーさんも増えて選手の練習環境も良くなっていると聞きます。それは日本が強くなり、フィギュアスケートの人気がついてきた証でもあるかなと思います」と言う。