フィギュアのプログラムはどう作られる? “芸術家タイプ”の振付師とは意外な苦労も…
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#68 中野友加里が答える「17のギモン」11問目
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。11問目は「プログラムはどう作るの?」。
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氷上で華麗に舞うフィギュアスケート選手たち。それぞれが曲を選び、個性あふれる振り付けで舞う。一般的にオフシーズンから作り込み、複数シーズンにまたがって滑る選手もいる。いったい、どんな風にプログラムは作られるのか。中野さんが明かす。
「トップ選手なら米国やカナダ、ヨーロッパに渡って振り付けをしてもらい、持ち帰って日本で磨くことが一般的です。私は2月に行われる4大陸選手権、3月の世界選手権などで普段は米国に滞在しているマリーナ・ズエワさんと会い、その際に話をしました。翌シーズンは何を滑ろうか、どんな曲にしようかと。まだシーズンが終わっていない段階ですが、すでにビジョンを決めていました。
良いプログラムを作るために大切なことは、振付師の先生と選手の気持ちを合わせること。もし合わない場合、先生が途中で作る気をなくすかもしれない。逆に選手がその曲に気乗りしないまま臨むと、シーズン途中でプログラムを変更することもある。振付師の先生と選手がよく話し合い、目指すべき方向性をしっかりと決めてから、振り付けに入った方がスムーズに行くと私は思います」
振付師には、どんなアプローチで依頼するのか。
「私の場合、初めて海外でお願いした振付師は有名なデビッド・ウィルソンさん。伊藤みどりさんを担当していたので、私がみどりさんと同じ山田満知子先生に習っていたこともあり、山田先生に紹介いただきました。マリーナさんは佐藤有香さんが同じデトロイトでスケートコーチをされていたので、有香さんからのご紹介。何の縁もなく、依頼を受けてもらうことは難しいので、紹介のケースが多いと思います」