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フィギュア選手は試合当日をどう過ごす? 午前競技は「深夜1時起き」なんてことも…

元フィギュアスケート日本代表の中野友加里さんが現役時代の1日のルーティンを解説【写真:荒川祐史】
元フィギュアスケート日本代表の中野友加里さんが現役時代の1日のルーティンを解説【写真:荒川祐史】

午前中の競技は「過酷」、会場入りする選手のスーツケースの中身は?

 午前から昼にかけて行われる大会もある。

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「そうなると、もっと早くなります。私が経験した中では当時はまだ行われていた世界選手権予選で午前9時に大会がスタート。公式練習は6時前から行われました。しかも私は緊張して前日に寝付けず……。夜の10時なんとか寝られましたが、ぱっと目が覚めたら午前1時。そこからはもう寝られずに試合に出ました。ただ、結果的には競技8時間前。ルーティンとしては良かったのか、調子が良かったことを覚えています」

 今大会の今日8日に行われる男子ショートプログラムは現地時間9時22分、フリーは9時37分スタート。「過酷です。かなり早起きしないといけない」と中野さん。「私の理想は演技8時間前の起床でした。公式練習が6時台とすると、遅くとも4時には起きないと。昼に行われる大会はかなり少ないので、男子選手の皆さんは五輪に向けての調整もしていると思います」と明かした。

 ちなみに、選手が会場入りするシーンがテレビ中継によく映るが、選手たちは大抵スーツケースを引いている。何が入っているのか。

「私の場合、絶対忘れてはいけないのが、プログラムで使う予備のCD。何か不具合があった時のためです。あと、私は冷え性だったので手袋とカイロは必須。さらに、ジャージをもう一枚。靴に加え、スケートの刃を入れるエッジケース。演技でかなり汗をかくのでタオル。女子なら化粧品。ウォーミングアップで足の裏などに汗をかいたら、かえって冷えてしまうので予備のタイツと靴下も入れました」

 とにかく「予備」が大切だ。「もし、衣装が破れたら縫うための裁縫セットも入っていました。以前、6分間練習中にタイツが破れ、急いで縫って演技をしたこともあります」という思い出話がある。

 勝負のリンクにベストな状態で立つため、選手は大会当日も繊細な準備を行っている。

(THE ANSWER編集部)

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中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

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