フィギュア滑走順、グループ1番目と6番目どっちが有利? 意外と「3番目」が難しいワケ
4番目以降は得点状況で構成を変えられるメリットも
4番目以降になると、控え室にいったん戻ることが多い。
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「少し呼吸を整えて、体が冷えない程度にウォーミングアップをして、もう一度靴を履いて出番を待つ形。4、5、6番はグループの後半なので、利点に働くこともあります。例えば、6分間練習であまり良い感覚が掴めない状態で1番滑走に臨んでしまうと、それが本番に出てしまう可能性がありますが、気持ちの切り替えが一度できやすい。フリーの場合、前の選手の得点状況で難度を落として勝ちに行く構成に変えることもできます。
私は意識しすぎてしまうので、ヘッドホンで音楽を聞き、ほかの選手の演技や得点を見ることはありませんでしたが、構成に変更が必要な場合はコーチが演技前に伝えてくれました。また、会場も後半になればなるほどボルテージが上がり、ヒートアップしていく。直接得点が出やすくなるわけではありませんが、選手にしてみれば気持ちが乗りやすいので、良い方向に働くことも多いのではないでしょうか」
ただし、後半の選手になるとリンクコンディションに気を払う必要もある。通常は2組計12人が終わるごとに製氷が行われる。
「最終滑走の選手は前に11人滑った状態のリンク。スピンやジャンプなどで穴が空いたり、氷の削りかすが散っていたりします。それが演技に影響することも可能性としてはゼロではない。そういった対応も含め、常日頃から練習を重ねていく必要があります」
とはいえ、「自分の希望通りの順番なんてなかなか引けませんでした」と笑う中野さん。グループ1番滑走の選手が演技をする裏で、5人の選手がそれぞれの場所で、それぞれの調整を試みている。
(THE ANSWER編集部)