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フィギュア滑走順、グループ1番目と6番目どっちが有利? 意外と「3番目」が難しいワケ

4番目以降は得点状況で構成を変えられるメリットも

 4番目以降になると、控え室にいったん戻ることが多い。

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「少し呼吸を整えて、体が冷えない程度にウォーミングアップをして、もう一度靴を履いて出番を待つ形。4、5、6番はグループの後半なので、利点に働くこともあります。例えば、6分間練習であまり良い感覚が掴めない状態で1番滑走に臨んでしまうと、それが本番に出てしまう可能性がありますが、気持ちの切り替えが一度できやすい。フリーの場合、前の選手の得点状況で難度を落として勝ちに行く構成に変えることもできます。

 私は意識しすぎてしまうので、ヘッドホンで音楽を聞き、ほかの選手の演技や得点を見ることはありませんでしたが、構成に変更が必要な場合はコーチが演技前に伝えてくれました。また、会場も後半になればなるほどボルテージが上がり、ヒートアップしていく。直接得点が出やすくなるわけではありませんが、選手にしてみれば気持ちが乗りやすいので、良い方向に働くことも多いのではないでしょうか」

 ただし、後半の選手になるとリンクコンディションに気を払う必要もある。通常は2組計12人が終わるごとに製氷が行われる。

「最終滑走の選手は前に11人滑った状態のリンク。スピンやジャンプなどで穴が空いたり、氷の削りかすが散っていたりします。それが演技に影響することも可能性としてはゼロではない。そういった対応も含め、常日頃から練習を重ねていく必要があります」

 とはいえ、「自分の希望通りの順番なんてなかなか引けませんでした」と笑う中野さん。グループ1番滑走の選手が演技をする裏で、5人の選手がそれぞれの場所で、それぞれの調整を試みている。

(THE ANSWER編集部)

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中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

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