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アジア杯、5-0発進のなでしこに隠れた課題 永里亜紗乃「すごくもったいなかった」

インドで開幕した2022 AFC女子アジアカップに参戦しているサッカー女子日本代表が21日に初戦を迎え、長谷川唯の2ゴールなどで5-0とミャンマーに勝利した。FIFAランキングでは格下ではあるものの、池田太新監督体制下では初めての国際大会。3連覇の懸かるアジアカップで白星発進となった。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんは、この試合をどう見たのか、解説してもらった。

初戦を完勝したサッカー女子日本代表、永里亜紗乃さんがこの試合を解説した
初戦を完勝したサッカー女子日本代表、永里亜紗乃さんがこの試合を解説した

アジア杯3連覇へ、長谷川唯の2ゴールを含む5発で白星発進

 インドで開幕した2022 AFC女子アジアカップに参戦しているサッカー女子日本代表が21日に初戦を迎え、長谷川唯の2ゴールなどで5-0とミャンマーに勝利した。FIFAランキングでは格下ではあるものの、池田太新監督体制下では初めての国際大会。3連覇の懸かるアジアカップで白星発進となった。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんは、この試合をどう見たのか、解説してもらった。

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 ◇ ◇ ◇

 初戦は5-0で勝利しました。ミャンマーと日本の力関係を比べれば、勝って当たり前の試合だと誰もが分かっていると思うので、勝利で終わることは最低限やるべきことでした。ただ、大会の初戦ということで緊張している選手もいただろうし、アジアカップが初めてという選手もいたと思うので、そういった大会の入りの難しさや硬さというのが前半の試合展開に出ていたのかなと感じました。

 それに選手一人ひとりが先制点を取らないといけないという焦りもあったと思います。ですが、力関係からすれば、ピッチに立って相手と対峙したときに自分たちのほうが有利だと感じていれば、もうちょっと余裕を持った試合運びができたはずです。でも、それがあまり出てこなかった。それに個人で戦っている印象も強かったですね。例えば、FWの2枚が孤立したり、縦パスは入るんだけど、その後、続かなかったり。中盤の数人は同じイメージを持っているけど、そこにFWが1枚入ってくるとちょっと合わなくなったり、見ていてちょっと余裕がないのかなと感じました。

 攻撃についても、得点シーンはすべてがきれいなゴールでした。ですが、それ以外のチャンスになりそうなシーンでは、孤立している人が多かった。個人的にはサイドの選手の孤立が気になりました。得点シーンではサイドがうまく絡んでゴールが生まれていましたが、それをどうして90分通してできないんだろう?と。本来ならばゴールシーン以外でも、そういったシーンがもっと多く出てこないといけない試合だったと思うんです。そこがすごくもったいなかったなという印象です。

 気になる点もありました。日本から見ると、ミャンマーはいわゆる格下に当たります。トップレベルの選手になればなるほど、感覚と頭の両方でプレーするものなので、もしかしたら相手のペースに合わせてしまったところがあったのかもしれません。体が頭よりも先に反応してしまうということもあるので、意識して自分たちで変えていかないといけないと思います。そういった切り替え、よく言う「スイッチを入れる」というのが、見ている限り、縦パスしかなかった。確かに縦パスは速くて的確でいいボールが入って、それによってスピードアップしたなという変化は見られたのですが、そのスピードアップの仕方が縦パスしかなかった、というのは少し気になります。

 また、ディフェンス面のプレッシャーの掛け方も気になりました。個人ではプレスに行けているのですが、それが全体で、となると、連動して奪いに行くことはあまりできていなかったんじゃないかと思います。なでしこジャパンの課題だと言われている「奪い切る」。強いチームが相手だとかわされるリスクがあるので、飛び込むことができなくなります。でも、今日の試合では、それができたはずだと思うので、それをやらなかったところはちょっと気になりました。

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