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今フィギュア界で起こる陸トレ重視の風潮 鈴木明子「背景に多回転多種類ジャンプ時代」

鈴木さんが語る、陸トレ重視の風潮の背景とは【写真:松橋晶子】
鈴木さんが語る、陸トレ重視の風潮の背景とは【写真:松橋晶子】

補強トレが重視される背景に「多回転&多種類ジャンプ時代」

 陸トレの比重や位置づけは国やチームによって、まったく異なります。日本の場合、氷の上で行うトレーニングの比重が比較的、大きいと感じますが、所属するリンク環境によっても変わります。選手一人ひとりがリンクを使用できる時間が限られる場合は、補強トレーニングに時間を割く場合もあるでしょう。

 それこそ、私の競技選手時代は、持久力も氷上のスケーティングで養うことが当たり前でした。同じ30分間を費やすのであれば、陸上を走るよりもパワースケーティングを行うほうが、スケートに必要な体幹や脚力も鍛えられるため、一石二鳥と考えるからです。

 補強トレーニングが重視されるようになった背景には、多回転、多種類のジャンプを跳ぶ時代になった影響が大きいと思います。

 3回転であれば、特に若い選手はとにかく何回も数を跳ぶことで、どんどん体に染みつき、跳べるようになります。ですが、4回転ともなると、着地の衝撃など、一回一回、体にかかる負担もすごく大きい。結果、回数を跳ぶという練習方法ではケガのリスクが非常に高くなってしまいます。

 4回転は体への負担を考慮し、本数を限って練習する選手も少なくありません。それに付随して、陸トレである程度体を作っていくことも必要になり、コーチやトレーナーも、柔軟に、センシティブに選手の体を見ながら対応するようになってきているのだと思います。

 フィギュアスケートは、常にケガと隣り合わせである競技です。近年はトレーニングの研究が進み、現場でのトレーニング常識も目覚ましく変わっていると感じます。様々な科学的根拠に基づいたトレーニングにより、怪我をせずとも体を追い込めるようになっていくことで、選手たちが最も苦しむ、ケガのリスクが減っていくことを願っています。

(19日掲載の後編へ続く)

■鈴木 明子 / Akiko Suzuki

 1985年3月28日、愛知県生まれ。6歳からスケートを始め、2000年に15歳で初出場した全日本選手権で4位に入り、脚光を浴びる。東北福祉大入学後に摂食障害を患い、03-04年シーズンは休養。翌シーズンに復帰後は09年全日本選手権2位となり、24歳で初の表彰台。翌年、初出場となったバンクーバー五輪で8位入賞した。以降、12年世界選手権3位、13年全日本選手権優勝などの実績を残し、14年ソチ五輪で2大会連続8位入賞。同年の世界選手権を最後に29歳で引退した。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、講演活動に力を入れている。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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鈴木 明子

THE ANSWERスペシャリスト プロフィギュアスケーター

1985年3月28日生まれ。愛知県出身。6歳からスケートを始め、00年に15歳で初出場した全日本選手権で4位に入り、脚光を浴びる。東北福祉大入学後に摂食障害を患い、03-04年シーズンは休養。翌シーズンに復帰後は09年全日本選手権2位となり、24歳で初の表彰台。10年バンクーバー五輪8位入賞。以降、12年世界選手権3位、13年全日本選手権優勝などの実績を残し、14年ソチ五輪で2大会連続8位入賞。同年の世界選手権を最後に29歳で現役引退した。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、全国で講演活動も行う。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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