現代野球の進化を証明した侍ジャパン投手陣 子供たちは「手段より思考」を学ぶべき理由
身長178センチの山本が150キロ超のストレートで圧倒できるワケ
身長は178センチとあまり大きいわけではありません。しかし、150キロ超のストレートを駆使し、圧倒できる。それはなぜかと考えてみると、自分の体の状態を正確に把握し、自分に合った使い方を熟知しているからではないかと思います。
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体の状態や使い方は人それぞれですが、自分にとって何をすべきか分かっているから、トレーニングを積んでレベルを常に向上させていける投手。よく練習法が独特と取り上げられたりますが、どれも山本投手にとって必要だからやっているわけです。
山本投手に憧れる中高生は多いと思います。しかし、同じトレーニングをしたら山本投手のようになれるかといったら、必ずしもそうではありません。山本投手がやっているからと真似するだけなら成長しませんし、頭を使う必要があります。
求められるのは“なぜ”そのトレーニングをやっているかまで理解し、それを自分に置き換えた時、何が必要かを考えること。もしかしたら、山本投手がやっていることでも自分には正解じゃないかもしれないと疑ってかかってみること。
アレンジが必要なのかもしれませんし、正解は全く違うトレーニングかもしれません。だから、一番に学ぶべきは山本投手が誰よりも研究熱心で自分の体を理解し、自分に必要なパーツを把握している点ではないでしょうか。
では、どうしたら自分の体を知ることができるのか。それは、トライアンドエラーを繰り返すしかありません。今はいろんな情報を得る場所が増えたおかげで、トライアンドエラーの「エラー」を少なくできるとは思っています。
逆に言うと、情報過多により考えが偏ってしまう可能性もあり、フレキシブルになる必要があります。一流の選手は自分で試行錯誤する中で自分なりの理論を確立しているので、まずは自分で試してみることが何よりも大切です。
時には失敗することもありますが、必ずしも最短ルートで行くことが正解とも私は思いません。いろいろやってみて、駄目なものは駄目って認識したり、良さそうだと思ったものは続けたり。そういうスタンスで私は良いと思っています。