大橋悠依は勝てるのか 宿敵“鉄の女”の秘密、鋼の肉体に取材D驚き「迫力に圧倒」
「柔」の大橋か、「剛」のホッスーか、東京五輪メダル争いの行方
――大橋が上回るには。
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菊岡「元々、大橋選手はどちらかというと水の抵抗の少ない、優しい泳ぎ、省エネで上手く400メートル個人メドレーを泳ぎ切るタイプでした。かなり線の細い選手だったけど、ここ2年くらいかけて全体的にパワーアップしてきましたね。ホッスーも意識する存在になってきています。意外と大橋選手のことを聞くと嫌がるというか、日本のメディアがライバルのことを聞くとね……。
ホッスーはバタフライと背泳ぎも単独種目でメダルを獲れるレベル。自由形もそうですけど、平泳ぎも遅くはないし、ほぼ穴がない状態です。
一方、大橋選手は元々平泳ぎが苦手だったんですが、この1年でバイクトレーニングなどを取り入れたことで脚のかかりが良くなり、かなり速くなりました。個人メドレーで最初に泳ぐバタフライに関しても、バタフライ単体のレースに積極的に出場してきたことで、かなり強化されました。ホッスー相手に先行できる力は十分あります。
大橋選手は、いかに前半から攻めたレースをして、300メートルを先行した状態でターンできるか。大橋選手も話していましたが、300メートルくらいまで並んでいても最後は力で押し切られてしまうと。おそらく、直前の高地トレーニングでそこを徹底的に磨いてきていると思う。最後に自由形でどれだけ粘れるかが大事になりそうです。
――泳ぎのスタイルは大橋が「柔」、ホッスーが「剛」というイメージ?
菊岡「まさにそういう感じです。対照的。見る人も面白いと思います。背泳ぎのテンポ、腕の回すスピードなど全く違う。今年の元旦、大橋選手は初詣の際に『東京五輪の前に今年1回はホッスーに勝っておきたい』と言っていた。でも、ホッスーもそこは絶対勝たせないんですよ。どんなに小さな大会でも、必ず最後に勝つんです。
そこは駆け引きなのかなという気がします。去年のW杯も、300メートルで大橋選手が少し前に出た。でも、最後はどうしても押し切られてしまう。ホッスー自身は35歳くらいまではトップでやっていきたいということは言っていました。東京五輪で終わりかなって勝手に予想していましたけど、そういう感じではないみたいですね」
――今大会の意味合いは。
坂井「以前、松田丈志さんと入江陵介選手が話していましたが、五輪前年は世界のレベルが上がり、急に新しい選手が出てきたりもする。世界ランキングはそのまま五輪につながり、それを五輪の年に大きく覆すのは非常に大変。それくらい五輪の前の年というのは重要だと話していました」
菊岡「今大会でメダルを獲るかどうかが、東京五輪でメダルに近づく大きな指針になりますね」
(明日8日は選手インタビュー再開、松元克央が登場)
◆世界水泳、テレビ朝日系で連日中継 21日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波、AbemaTVで最終日まで8夜連続放送。予選はBS朝日、AbemaTVで放送する。
(THE ANSWER編集部)