世界水泳は五輪前年こそ面白い 出場歴5度の寺川綾が送る愛の檄「言い訳はできない」
思い出に残る大会は初出場の2001年「どの選手も顔つきや雰囲気が普段とは違っていた」
世界のトップスイマーたちが覇を競う世界水泳に、寺川さんは2001年に16歳で初出場して以来、5度も出場を重ねた。2011年の上海大会では50メートル背泳ぎで銀メダル、2013年のバルセロナ大会では50メートル背泳ぎと100メートル背泳ぎでそれぞれ銅メダルを獲得した。寺川さんにとって、最も思い出深い大会はいつだったのか。
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「2001年に初めて出た世界水泳ですね。福岡で開催されたんですけど、とにかく周りに圧倒されちゃって『すごい』の一言しか出てきませんでした。当時は高校2年生。テレビで見た水泳選手がズラリと並んでいるんですよ。でも、本当はこれはダメな例ですね(苦笑)。
北島康介さんとかジュニアの頃からずっと知っていたんですけど、世界水泳となった途端に顔つきがガラッと変わって、全くの別人みたいになっていたんです。どの選手も顔つきや雰囲気が普段とは全く違って、しっかり結果を出す。『世界と戦うって、こういうことなんだな』と思い知らされました。私は全く結果を残せなかったんですけど(200メートル背泳ぎ8位)、いろいろな気付きがあり、勉強させてもらいました」
初出場から12年後。ロンドン五輪の100メートル背泳ぎで銅メダルを獲得した翌年、2013年バルセロナ大会では銅メダルを2つ獲得。同年12月に現役生活からの“卒業”を発表したため、最後の世界水泳となったが、「楽しみながら大会に臨めました」と振り返る。
「この時は『自分のタイムを少しでも縮めよう』『前回(2011年上海大会)は50メートル背泳ぎで銀メダルだったから金メダルを狙おう』と、自分自身との戦いを楽しみに感じていました。誰かに勝ちたい、誰かを倒そうっていう感じではなく、自分にどうやって勝つか。世界で戦う経験を重ねるうちに、課題を克服する楽しさや目標を達成する楽しさを感じるようになっていました。水泳の楽しみ方を覚えた感じですね」
今回出場する選手たちも、それぞれがテーマを持って臨む世界水泳。だが、やはり最大の目標は東京五輪へのチケット獲得だ。現地で、そしてテレビで観戦・応援するファンには、その真剣勝負を楽しんでほしいという。
「来年のオリンピック前に、世界を相手にチャレンジできる唯一の舞台が、今回の世界水泳です。海外の強豪選手もみんなが全力でコンディションを合わせてきます。優勝すれば五輪出場が内定するわけですから、そこに向けた本気の戦いを楽しんでほしいですね。それぞれの種目によって、いろいろな楽しみ方をしてもらえると思います」
1人でも多くの選手が、1つでも多くの種目で東京五輪に出場できるよう、熱い声援を送りたい。
(明日7月1日の第11回は選手インタビュー再開、白井璃緒が登場)
◆世界水泳、テレビ朝日系で連日中継 7月21日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波、AbemaTVで最終日まで8夜連続放送。予選はBS朝日、AbemaTVで放送する。
(THE ANSWER編集部)