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世界の逸材16歳マッキントッシュの地力を目撃 同い年・成田実生「招集所で足をバンバン叩き…」

平井伯昌コーチに聞いた北島康介の逸話

 世界トップスイマーへの挑戦。23日の200メートル個人メドレーは周りの選手を意識してしまい、全体12番手で準決勝敗退だった。400メートルまで7日。「日数が空いて不安になった」。北島康介ら数々の五輪メダリストを育ててきた平井伯昌コーチに相談。決勝2日前、かつての日本最強スイマーの話を聞かされた。



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 04年アテネ五輪。北島は大会直前、最大のライバルだったブレンダン・ハンセン(米国)に自身の世界記録を塗り替えられた。平井コーチは「五輪は予選から思い切り行け!」と指示。しかし、北島からは「先生、五輪は決勝が勝負じゃないですか」と返ってきた。2人の結論は「3発で倒そう」。予選で良い泳ぎを見せ、相手に「北島は調子いいぞ」と意識させた。

「そうしたらシーソーゲーム。予選は北島が良くて、準決勝はハンセンが良くて、決勝が北島が良かった」

 悲願の金メダル。心理戦が効いた。ハンセンは「北島を意識しすぎた」と振り返っていたという。

 要するにハンセンを反面教師にするということ。「周りは気にしないで、自分でやると決めたことをやるのが一番大事だよ」。名コーチの優しい言葉に、16歳は「少し前向きになれた」と切り替えた。この日はウォーミングアップから見違える動きを見せ、午前の400メートル予選を全体3番手で通過。「想定外。ビックリしてます」と初々しく笑顔を見せた。

 平井コーチも「丁寧にお話を聞いてあげました。幼稚園みたいだったんですけど、そういう話をしたら『なるほど』と言っていました」と笑う。「本人の伸びるきっかけになってもらいたい」。2006年に生まれた16歳の逸材も、五輪メダリストへの階段を上っている。

 悔しさを味わった初めての世界水泳。まだ世界との差は大きいが、16歳で決勝の8人に残ってみせた。「一日2本、全力で泳ぎ切る体力をつけないといけない。決勝は予選の倍の盛り上がり。それを経験できてよかった」。経験は必ず糧にして、飛躍していく。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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