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池江璃花子が力いっぱいに泳げる現実 世界7位で自分を責めても、母は「泳ぐ姿に感動したよ」

バタフライを泳ぐ今大会の池江【写真:Getty Images】
バタフライを泳ぐ今大会の池江【写真:Getty Images】

母からメッセージ「この舞台で泳いでいることに感動したよ」

 この間、誰にも相談しなかった。それが一つの成長だった。



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「周りもレースがあって、敗退した人もいる。誰かに相談しようとは思わなかった。自分のことを自分だけで解決するのは今までになかったこと。たくさんレースに出ているというのは言い訳に過ぎない。自分で解決しようとした」

 19年2月に白血病を公表。闘病生活を経て、約1年後にプールに戻ってきた。21年日本選手権4冠から奇跡の東京五輪出場。リレー3種目に出場し、女子4×100メートルメドレーリレーで決勝進出に貢献した。復帰からわずか3年で戻ってきた世界一を争うプール。周囲の熱は否応なしに届いてくる。

 期待されればされるほど、強い責任感を抱く性格。23歳。日本中から視線を集める存在になったことで、その感情はさらに膨らんだ。だから、大歓声をもらっても、「世界で7番目」の立ち位置にたどり着いても、自責の念はぬぐえない。「自分は競技者だから、結果を出せないと自分を責める。何が間違いだったんだろうって」

 だけど、周りの声に耳を傾けた。

「意外と応援してくれる人は責めない。決勝に行っただけで凄く喜んでくれる。自分を責めすぎる自分がいる。でも、後ろではほとんどの人が『結果が全てじゃない』と言ってくれます。『池江さんの姿が見られてよかった』って。それだけで心の支えになります。だから、今日も楽しんでもらえたんじゃないかな」

 どんな結果になろうとも、最後の最後まで味方でいてくれる人がいる。7000人が埋まったスタンドの1席。母・美由紀さんがいた。「この舞台で泳いでいることに感動したよ」。そんなメッセージをくれた母を思うと、また涙が溢れ出た。力いっぱいに泳いでいるという現実がある。「一番喜んでくれているのは母です」

 次の照準は9月のアジア大会(中国)。「100メートルにフォーカスしないといけない。ここで泳げた経験を自分のものにして、積極的なレースをしないと。パリ五輪の本番を目指してやりたい」。世界に戻ってきた喜びも、苦しさも味わった2023年の夏。ひとかきずつ進めばいい。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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