「僕が勝てるって思ってますか?」 敗れた瀬戸大也がコーチに質問、五輪金へ立たされた分岐点
瀬戸の人間的成長を感じ取ったワンシーン、加藤コーチ「感動していました」
大差で敗れたレース後、瀬戸から直球質問が飛んできた。
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「コーチも来年、僕がレオンに勝てるって本当に思っていますか?」
答えはわざわざ言うまでもない。気持ちは同じだ。
「僕は勝ちに行く。科学的にもできると思っています。秘策だらけですよ。平泳ぎでも、耐乳酸トレーニングでも、やっていないことがまだある。大也はやっと耐えられるようになってきたんです。簡単に叶わないのが夢。やっても、やっても叶わないのが夢。だから、叶えてみたくなるんです。ここからですよ」
22年ぶり母国開催の世界水泳。普段の瀬戸はレース直前まで音楽を聴き、誰とも喋らずに集中する。でも、この日はイヤホンを外した。「会場の応援に感動していました」と加藤コーチ。精神面の成長も感じ取った。
「あいつは1年で成長しました。金メダリストには人間力も必要。応援してもらえる人でないと。そういう意味で成長しました。自分と関係ない人のためにも頑張ること。自分、自分、自分というやつは獲れない。大也を見て『行けるな』と思う部分は、マイナスなことを一切言わないこと。本当に前しか見てない」
過去のレースでは全てを出し切った後、熱を出して寝込んだことがある。本番でやり尽くせるのも才能の一つ。同世代では第一線を退いた者もいるが、「まだまだ自分にはやるべきことが残っている」と現役続行。世界水泳の金メダルは通算4個だが、五輪では手にしていない。総仕上げは間に合うのか。
「(マルシャンとの距離は)果てしない。果てしないけど、最高の形に仕上げて勝負したい」
一つの岐路に立たされた。集大成は1年後。高い壁だからこそ、叶える夢には価値がある。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)