【世界水泳】12歳で日本3位になった元スーパー中学生 22歳今井月が長期スランプから蘇るまで
持ち続けた平泳ぎへのプライドと責任「世界と戦えることを証明しなきゃいけない」
吹っ切れた結果、決勝で自己ベスト。「諦めなくてよかった。(芝辻コーチのブレスレットの)効果でベストが出たのかも。もしかしたら背中を押してくれたのかな」。スマホは祝福メッセージの通知で溢れた。
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「今までは個人メドレーの代表でどこか物足りなさがあった。ずっと平泳ぎで代表に入りたいと思っていたので、やっと一番好きな種目で世界で戦える切符を掴めたことは凄く嬉しいです。やっとスタートラインに立てたなって。
200メートルの平泳ぎは『自分の種目』と思っている部分もあります。日本では負けたくない。どんな状況であれ勝ち切りたいなと。ここ2年ぐらいは平泳ぎで日本のトップにいたのでプライドもありました。リオ五輪も、17年の世界水泳も、若さの勢いやまぐれもあって運よく代表に入れた。今回は自分の実力で獲れたと思う。自信を持って世界大会に行ける」
嬉しいことはもう一つ。親友の池江璃花子も自身と同じく6年ぶりに世界水泳切符を手にした。小学6年で出会い、中学2年のジュニア合宿で相部屋になったことをきっかけに仲を深めた間柄。18年から今井がスランプになり、池江は19年から白血病の闘病で休養した。苦しい時も励まし合い、今井は「今回の日本選手権は初日に璃花子の決勝があって凄く勇気をもらった。璃花子の活躍は凄く刺激になる」と感謝する。
春から社会人になり、「水泳が仕事になってくる」という自覚もある。2分21秒台を出せば見えてくるのが表彰台。日の丸の重みを受け止めながら福岡に入る。
「日本の平泳ぎはお家芸。凄くレベルの高い種目なので代表には責任がある。この世界水泳でしっかり世界と戦えることを証明しなきゃいけないと思っています。パリ五輪の代表権を獲得するためにも、この1年間は凄く大事。2分22秒台ではまだ足りないので、21秒台を目指していきたい」
苦しんだ期間は無駄じゃない。強くなった姿を届け、サポートへの恩返しをしていく。
(20日の第31回は松元克央が登場)
◆世界水泳 7月14日にアーティスティックスイミング(AS)、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。
(THE ANSWER編集部)