マルシャンにとって日本は憧れの地「僕は凄いアニメガイなんだ」

　マルシャンの挑戦を家族も後押しした。父・グザビエさんは1996年アトランタ、2000年シドニー五輪に出場し、1998年世界水泳パース大会では200メートル個人メドレーで銀メダルを獲得。母セリーヌ・ボネさんも1992年バルセロナ五輪に出場した水泳一家だ。マルシャンは両親への感謝の念は尽きない。

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「2人はキャリアの最後の方では米国でトレーニングをしていて、もし僕も米国でトレーニングできたら良い機会になるだろうと言ってくれた。2人はこのスポーツがどれだけ難しく、どれだけの犠牲と時間が必要で、それがあっても得られる結果はほんのわずかだということを教えてくれた。2人のサポートのおかげで僕は今、ここで楽しめている」

　日本は憧れの地でもある。「僕は凄いアニメガイ（アニメ好き）なんだ」と公言する21歳。初めて見た日本アニメはドラゴンボール。今や世界的人気を誇る作品に「あれは最高だった」と絶賛。最近は「東京喰種トーキョーグール」にハマり、「第1シーズンがとても良かった」と明かした。

　自宅には多くの日本漫画がズラリ。コロナ禍だった東京五輪は選手村から外出できず、「だから、日本に戻れるのは嬉しい。いろいろ発見したいから、改めてバケーションで滞在すると思う」という入れ込みようだ。

　期待されるのは400メートル個人メドレーの連覇と、フェルプスが持つ最古の世界記録更新だ。

「超えるのはめちゃくちゃ楽しいだろうし、みんな記録更新のために頑張っている。僕も毎日そのために練習しているわけだから。でも、それが一番の目標ではない。僕はただ人として、水泳選手としてより良くなりたい。そして一歩ずつ着実に進んでいくのが良いと思っている」

　福岡で結果を出し、母国で行われる来年のパリ五輪へ。21歳の若武者の挑戦は続いていく。

（17日の第28回は萩野公介氏が登場）

◆世界水泳　7月14日にアーティスティックスイミング（AS）、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。