【世界水泳】「あいつに雷をぶつけてやりたい」 世界の怪物へ、五輪銀・本多灯の狙う強烈な反撃
WBCに大興奮「僕は水泳も同じぐらい日本が世界でトップを争えるスポーツだと…」
今年4月の日本選手権は1分53秒34で4連覇。しかし、1分52秒台を狙っていただけに後半の失速を悔やんだ。「やってやる」と気持ちを入れて100メートルをターン。レース後半にスイッチを入れ、ラスト50メートルで勝ち切るのがジュニア時代からのスタイルだが、強すぎる気合いが力みになった。
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「体に余力があれば、気持ちもそこまで左右されていなかったと思う。心も体も強化する必要がある」。体は硬くならず、でも心は燃やす。このバランスが難しい。「そこで冷静でいられるようになれば日本記録も夢じゃない。だからといって、そこだけ直せば世界で勝てるかと言われたらそうでもない。でも、練習を積むしかない」
世界に立ち向かう21歳。東京五輪で日本男子唯一のメダリストになり、今大会も期待は大きい。「応えたい気持ちもあるけど、それ以前に自分の目標をどう叶えていくのかを考えるのが僕の長所」と重圧として捉えない。この春はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に感動した。その熱は競泳にも秘めていると考えている。
「WBCは人生で一番興奮したんじゃないかなと。大谷翔平選手とマイク・トラウト選手の対戦を見た時、シンプルにファンとして『どっちが勝ってもおかしくない』と思っていた。そんな興奮を与えられるのがスポーツだと思う。もちろん、野球は凄い人気ですが、僕は水泳も同じぐらい日本が世界でトップを争えるスポーツだと思う。
地元開催で凄くパワーもあると思うし、日本の競泳選手たちは『やってやりたい』と思う人がほとんど。僕もその一人です。だからこそ、自分のレースをして『日本の水泳界って凄いな』と改めて思わせたい。日本の選手と一緒に盛り上げたい気持ちが凄く強いです」
最大の目標は五輪金メダル。「水泳を始めた時からの最大の夢。自分が絶対に成し遂げたい夢。ずっとどんな時も追い続けたい」。そのためには世界の怪物たちを倒さなければならない。自己ベストは1分52秒70。目の前のターゲットは日本記録1分52秒53だ。本多はパリ五輪を視界に捉えながら言う。
「(今大会は)52秒台じゃなくて、51秒台を目指して、そしてマルシャンとの差はどこなのか、自分なりに消化してパリ五輪に繋げたい。やりがいも感じています。やらないといけないことが多いけど、一つずつ潰していけば本当に世界一を獲れると思う。またいつも通り挑戦者として、一歩ずつ、一歩ずつ前に進めるようにしたいです」
周りを明るく照らす存在になってほしいという願いから「灯(ともる)」と名付けられた。その光が金メダルに当たる日を夢見て、怪物たちに挑む。
(26日の第4回は青木玲緒樹が登場)
◆世界水泳 7月14日にアーティスティックスイミング(AS)、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。
(THE ANSWER編集部)