「世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと28日―男子200mバタフライ＆400m個人メドレー・本多灯

　水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡（テレビ朝日系で中継）が7月14日に開幕する。2001年以来22年ぶりの日本開催となり、中でも注目を集めるのは競泳だ。個人種目で金メダルなら1年後のパリ五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施する。

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　その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。6月25日の第3回は、男子200メートルバタフライと同400メートル個人メドレーに出場する本多灯（ともる・イトマン東京）が登場。200メートルバタフライでは東京五輪銀、昨年世界水泳銅だった。世界の怪物スイマーたちに立ち向かう21歳の反骨心に迫る。

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　結果を残しても、世界の怪物たちに力の差を見せつけられた。昨年世界水泳の200メートルバタフライ決勝。本多はラスト50メートル、左隣のレーンで泳ぐ21歳のレオン・マルシャン（フランス）に抜かれた。右隣の23歳のクリストフ・ミラーク（ハンガリー）は遥か前を泳ぐ。体2つ分ほど突き放され、自身より3秒以上速い世界記録1分50秒34で優勝を奪われた。

　あのマイケル・フェルプスを超える大記録。マルシャンは個人メドレーでも2冠だった。2人とともにバタフライの表彰台に上がった本多。衝撃的な強さに怯むどころか突き動かされた。

「壁が高かったらやる気も出る。楽しみです。ミラーク選手に対しては、憧れの気持ちが凄く強いです。でも、やっぱりその相手に勝ちたい。それは憧れ以上に強いです。今は越えられない壁だとは思いますが、子どもの頃からいつもそういうものに立ち向かってきた。大人になってもいつも通り変わらず、好奇心が強い子どものようにやっていくだけだと思っています。

　マルシャンにも4個メ（400メートル個人メドレー）と2バタ（200メートルバタフライ）で凄い力を見せつけられた。人生で一番と言っていいくらいのインパクト。心に雷が落ちたような体験でした。もちろん悔しかったけど、自分の気持ちにも、体にも『ちょっとまだ足りない』と思うところがあったので、負けて当然だった。僕の立ち位置をわからせてくれた。そういう意味では僕のレースをして、逆にあいつに雷をぶつけてやりたい」

　幼稚園から水泳を始めたが、常に将来を嘱望されたわけではなかった。身長173センチながら高い技術で効率的な泳ぎを身につけ、東京五輪は銀メダル。体格差を気持ちと努力で補ってきた。反骨心をバネにするのは今も変わらない。

「やればやるほど、まだやらないといけないことがあると思えてくる。トレーニングに終わりはない。それを一つずつ、一つずつ潰していくのが凄く楽しいです。できるようになったと思うのは、成長していると思える瞬間。それ（課題）がなくなっていくほど気力も上がっていく」