普段通り過ごせない生理痛は「病気」 正体は2種類 ガマン強い運動部は痛みを1人で抱えがち
もう一つの「器質性月経困難症」はどんな症状?
もう一つは「器質性月経困難症」です。こちらは痛みの裏に子宮や卵巣の病気(子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症など)が隠れている、より深刻なケース。20代以上の女性に多く、「以前は軽かった生理痛が突然重くなった」「(生理が始まると)だんだん痛みが強くなる」「鎮痛剤を飲んでも効かない」という場合は、こちらが疑われます。
脅かすつもりはありませんが、我慢できないほどの痛みがある場合、「検査をしたら子宮内膜症だった」というケースは、経験上、少なくありません。さらに子宮内膜症は放置すると悪化。月経時以外にも腰痛や下腹痛、性交痛などさまざまな痛みがあらわれたり、不妊症の原因になったりします。
「生理は病気ではないから……」と、我慢強い運動部の学生は、かなり激しい痛みになるまで、痛みを一人で抱えがちです。
特に中学・高校生は、「大人には言いにくい」という理由で、相談ができない人も少なくないでしょう。監督やチームメートの反応を気にして、「練習を休めないから」と病院に行くことをためらう人もいます。
でも、我慢を続けても症状は改善しません。また、痛みを我慢しながら練習をしても、痛みのためにフォームが崩れたり、しっかり運動ができなかったりで、練習の質が落ちる恐れがあります。
「痛い」「ツライ」と声に出すことは、決して恥ずかしいことではありません。また、痛みを緩和する、しっかり治療することで、良いコンディションを取り戻せます。「生理だから痛くても仕方がない」「私がガマンすればいい」と思わずに、一度、親や部活動の先生、あるいは保健室の先生に相談してみることが大切ですよ。
最後に、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止表国際基準に準じた、2023年度のアンチ・ドーピング使用可能薬リストのリンク先をお知らせします。生理痛はこのリストの1「熱・痛み(鎮痛・解熱・抗炎症薬・片頭痛薬)」が該当します。
競技会を含め、いつでも使用できる薬なので、薬を使用したい場合、チェックしましょう。
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/anti_doping/anti-doping-med-list_2023.pdf
(有効期間 2023年1月1日~12月31日)
(THE ANSWER編集部)