進学&寮生活で生理が止まった学生 春は要注意、ストレスから起こる無月経の正体
「痩せていない人」も発症する無月経、その原因は…
さて、女性アスリートの無月経は、痩せている人、食べていない人がなりやすい、という印象がありますが、無月経という病気は「痩せていない人」も発症します。
例えば、同じくホルモン分泌異常が原因で起こる無月経に「多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群」があります。こちらは特に男性ホルモンであるアンドロゲンが高くなり、月経不順、多毛、ニキビ、肥満などの症状が出ます。また、排卵が正常に起こらないので、不妊の原因にもなります。
無月経になる疾患には、「視床下部性無月経」や「多嚢胞性卵巣症候群」のほかにも色々あり(図参照)、なかには重篤な病気が隠されている恐れもあります。そのため、原因の特定については、必ず医師の診断が必要なのです。
急激な体重減少や利用可能エネルギー不足につながる、トレーニングの量や強度の増加がないにも関わらず、生理が止まる、生理不順がある場合、視床下部性無月経以外の病気も考えられます。
とにかく25日~38日に1回、生理がこないことが3か月以上続いたら(※)、親や部活動の先生、あるいは保健室の先生など、話やすい身近な大人に相談を。一人で悩み、抱え込まず、必ず、婦人科を受診してくださいね。
(※)1か月~2か月間であれば、多くの場合、生理がなくても問題ありません。特に初経から3~4年間は月経のサイクルが不安定なので、次の生理までに時間が空くケースもあります。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)