外国選手名に「=」表記のなぜ? 「タラ・デービス=ウッドホール」が結婚後も“姓”を守りたかった理由【東京世界陸上】
陸上の世界選手権東京大会は9月13日から国立競技場で9日間の熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第23回は「2つの姓で戦うアスリート」。女子走り幅跳びで金メダルを獲得したタラ・デービス=ウッドホール(米国)は結婚後、夫との複合姓を使うようになった。「=」で繋がる2つの姓への思いを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第23回
陸上の世界選手権東京大会は9月13日から国立競技場で9日間の熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第23回は「2つの姓で戦うアスリート」。女子走り幅跳びで金メダルを獲得したタラ・デービス=ウッドホール(米国)は結婚後、夫との複合姓を使うようになった。「=」で繋がる2つの姓への思いを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
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2021年東京五輪と同じ国立競技場の舞台。あの時と違うのは、空っぽだった客席を埋めた観客と、ゼッケンの余白にギュッと詰まったアルファベット。4年前に「DAVIS」だった胸元の文字は、「DAVIS-WOODHALL」と横長になっていた。
14日の決勝では7メートル13の大跳躍で優勝。「DAVIS」時代に届かなかった表彰台の真ん中に立ち、白い歯と金メダルを光らせた。
ハイフンで繋がった「WOODHALL」は2022年10月に結婚した夫の姓。自身と配偶者の姓を組み合わせた「複合姓」と呼ばれるもので、日本メディアなどのカタカナ表記では「デービス=ウッドホール」と二重ハイフンにすることが多い。
米国代表では他にも、シドニー・マクローフリン=レブロン(女子400メートルと女子4×400メートルリレーで2冠)や、メリッサ・ジェファーソン=ウッデン(女子100メートル、200メートル、4×100メートルリレーで3冠)らも複合姓を使用。圧倒的な走りで抜群の存在感を放っただけに、「『=』のある選手はどこからどこまでが名字なの?」と気になった人もいるのではないだろうか。
米ピュー研究所が2023年に実施した調査によると、米国でも異性と結婚した女性の約8割は夫の姓に変更している。14%が元の姓のまま。複合姓を選択した人は5%に留まる。2年前のデータではあるが、まだ一般的とは言えなさそうだ。そんな“少数派”の1人、26歳のデービス=ウッドホールに15日のメダルセレモニー後、話を聞いてみた。
「私の家族の中で、女の子は姉と私の2人だけ。『DAVIS』という名前は私たちの家族の中で本当に力強い意味を持っているの。最近亡くなってしまった祖父が作り上げ、夢を込めた名前。私はこれからもずっと、ラストネームとして『DAVIS』の名を持ち続ける。それが私であり、私の父であり、私の家族であるから」
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