避けられない生理、胸をつぶして着けた下着 あるトランスジェンダーの大学院生の経験談
大学時代に家族に「ポロッと」伝えると、祖父に言われた言葉に驚き
須永「山田さんは大学時代から、周囲にFtMだとオープンにしていたと聞いています。ご家族にはいつ、伝えたのでしょうか?」
山田「親には大学生の頃 日常会話の流れのなかで、ポロッと伝えました。でも『何をいまさら言っているの』という反応でしたね。親は自分の小さい頃から、わかっていたようです。また、大学時代に家族でバーベキューをしていたとき、突然、祖父から『アメリカは同性婚が認められている。日本も将来、変わるから満月は大丈夫だ』と言われたときは、びっくりしました」
須永「きっとおじいさまは山田さんを想い、気にかけてくださっていたんでしょうね」
山田「はい。うちは親も小さい頃から、着るもの一つとっても自分の意見を尊重してくれました。だから、毎日ズボンで過ごせたし、『女らしくしなさい』と教育されたこともありません。それと、私のいた女子のサッカー界には、LGBTの選手がわりといるんです。チームメートからは『男なの? 女なの?』と聞かれないし、自分に対しては普通に『今、彼女いるの?』と聞かれていました。どっちであろうが、皆、気にしていない。そのおかげで自分らしさを否定することなく、大人になれたと思います」
(10日掲載の後編へ続く)
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)