「出産の立ち合いより重要な仕事はない」 現役メジャーリーガーに聞いた男性の産休取得の価値観
ドジャース37歳投手「出産に立ち会う以上に重要な仕事はない」
ダニエル・ハドソン投手はナショナルズ時代の19年、出産に立ち会うため、カージナルスとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦を欠場。ネット上で議論を呼んだ。しかし、同僚たちは決断を支持。ハドソンは「大半はとても好意的だった」と当時をこう振り返った。
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「チームメイトを残すことになるから、その意味では難しい決断だった。でも、僕にとっては家族が最も重要。野球ですらそれは同じだ。キャリアを通じて常に支えてくれている妻のため、出産の場にいることは重要だった。1試合を欠場して、チームに戻った次の試合では、チームメイトがみんな支えてくれたから感謝しているよ」
2度のトミー・ジョン手術に両膝靭帯の負傷を経験した37歳。マウンドに立ち続ける理由は「野球が好きだから」と語る。その野球ですら、家族を前にすれば二の次。「個人的な意見だけど、何をしていようと、出産に立ち会う以上に重要な仕事はないと思う」。日本でも男性の育児休暇など有給取得に対する社会の風潮は徐々に変わりつつあるが、浸透しきっているとは言い難い。
もちろん文化や歴史的背景、国民性など様々な要素が複合的に重なるため、一概にどちらが正しいとは言えない。ただ、そんな日本のことをハドソンに伝えると、慎重に言葉を選びながら語ってくれた。
「文化の違いはあるだろうね。一人ひとり優先順位は違うだろうから、その人にとって優先度の高い方を選べると良いよね。2、3日産休が取りたいのであれば、そうできるのが普通であるべきだと思う。それと同時に、仕事を優先した人も批判されるべきじゃないと思う。その人の決断が尊重されると良いね」
選択には自由があり、自ら選んだからには責任を持つ。そして、それぞれの選択が尊重される。そんな環境は理想的なのかもしれない。世界トップレベルで競技に向き合うアスリートも、家族の支えがあってこそ活躍できる。そう改めて実感させられた。
(THE ANSWER編集部・土屋 一平 / Ippei Tsuchiya)