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「私は娘を犠牲にしている」 世界最速の母・キピエゴンが説く“夢追う女性”の綺麗事じゃない覚悟【東京世界陸上】

陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第16回は「女性アスリートの選択」。女子1500メートルで3連覇を飾ったフェイス・キピエゴン(ケニア)は7歳少女の母の顔を持つ。陸上優先の生活を送るだけに、愛娘と過ごせるのは休日だけだ。「犠牲はつきものよ」と語る真意とは。人生の選択の心得も教えてくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂、戸田 湧大)

女子1500メートルで3連覇を飾ったフェイス・キピエゴン【写真:ロイター】
女子1500メートルで3連覇を飾ったフェイス・キピエゴン【写真:ロイター】

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第16回

 陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第16回は「女性アスリートの選択」。女子1500メートルで3連覇を飾ったフェイス・キピエゴン(ケニア)は7歳少女の母の顔を持つ。陸上優先の生活を送るだけに、愛娘と過ごせるのは休日だけだ。「犠牲はつきものよ」と語る真意とは。人生の選択の心得も教えてくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂、戸田 湧大)

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 やっぱり女王は強かった。

 16日に行われた女子1500メートル決勝。スタート直後から積極的に先頭に立ったキピエゴンは13人を引き連れ、照明に照らされた国立競技場を駆けた。残り1周で一気にペースアップ。後続との差を広げて最後の100メートルに突入すると、2位に2秒77差をつけてゴールした。

 翌日のメダルセレモニー後、THE ANSWERの単独取材で「夢が叶ったの。4度目の世界王者になれて本当に嬉しいわ」と笑い、胸に提げた4つ目の金メダルが誇らしげだった。

 1500メートルと5000メートルを主戦にするケニアの31歳。1500メートルでは2017年のロンドン大会を23歳で初めて制し、22年のオレゴン大会からは3連覇。五輪も16年のリオデジャネイロ大会から3連覇を果たし、今年7月には世界記録(3分48秒68)を樹立した。言わずと知れた陸上中距離の絶対女王だ。

 初の世界女王になった翌18年には娘のアリンちゃんを24歳で出産。7歳になった少女の母でもある。ただ、キピエゴンの生活は陸上第一。週6日でトレーニングキャンプを行い、愛娘に会えるのは休日だけだ。「母親としての自分、アスリートとしての自分のバランスを取ることは簡単ではないわ」と本音を明かす。

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