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捨てた企業の安定「陸上が知られていない」 実業団を退社、YouTube配信も…モデルスプリンターがフリーで走る理由――陸上・山中日菜美

東京・国立競技場で4日から3日間、行われた陸上の日本選手権。女子100メートルに出場した山中日菜美(滋賀陸協)は準決勝敗退となり、昨年に続く決勝進出は叶わなかった。大学時代には全国大会で表彰台に上るなど、実績を残してきたスプリンター。卒業後は実業団に所属するも2年10か月で退社し、今はYouTubeの配信やモデル活動など、幅広く活動している。“安定”を捨てて個人での道を選んだ理由とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

日本選手権に出場した山中日菜美、実業団を退社しフリーで活動する理由とは【写真:奥井隆史】
日本選手権に出場した山中日菜美、実業団を退社しフリーで活動する理由とは【写真:奥井隆史】

日本選手権女子100メートルに出場した山中日菜美

 東京・国立競技場で4日から3日間、行われた陸上の日本選手権。女子100メートルに出場した山中日菜美(滋賀陸協)は準決勝敗退となり、昨年に続く決勝進出は叶わなかった。大学時代には全国大会で表彰台に上るなど、実績を残してきたスプリンター。卒業後は実業団に所属するも2年10か月で退社し、今はYouTubeの配信やモデル活動など、幅広く活動している。“安定”を捨てて個人での道を選んだ理由とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

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 ファンに見せる笑顔は封印。モデルスプリンターは鋭い眼差しでスタートラインに立った。

 昨年は組2着で駆け抜けた準決勝。山中はリアクションタイムで全体8番目とやや出遅れる。それでも8レーンから懸命に前を追った。11秒68(追い風1.3メートル)の7着でゴール。決勝には届かず、レース後には「自分の走りができなかったので、悔しい日本選手権だった」と涙がこぼれ落ちた。

 2022年1月、立命館大卒業後に入社した実業団を2年10か月で退社した。

「社会人になって『陸上があまり知られていないのかな』と思うところがよくあったので、自分で幅を広げていけたらいいなと思って」

YouTube配信のほか、モデル活動もしながら競技に励んでいる【写真:奥井隆史】
YouTube配信のほか、モデル活動もしながら競技に励んでいる【写真:奥井隆史】

 現在は練習や試合、私生活などの動画をYouTubeで配信。チャンネル登録者数は1.09万人、インスタグラムのフォロワーも2.4万人を誇る。スポーツクラブのポスターなどにも出演し、モデルとしても活動。スポンサーの支援も受けて競技に励み、「スポンサーさんの力がすごく大きくて。本当に支えてもらっている」と感謝する。

 昨年11月には八幡商高(滋賀)でキャリアデザイン講師も務めた。高校生は特に進路に悩む時期。「今、進路を決めたとしても、この先も色々な形で自分のやりたいことはできるんだよ」とメッセージを贈った。自分で考え、突き進んできた経験があるからこそ伝えられることがある。

「色々なところから知っていただく機会が増えた。陸上競技を観に行くと言ってくださる方もいるので、やっていて良かったなと思う。応援してくださるみなさんがいるから頑張れる部分もあります」

 競技普及はもちろん、自身のモチベーションアップにもつながっている。

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