引退後に起業&ビジネス挑戦を目指す女性アスリートに必要なスキルセットとは
WABNが目指す方向性「ネットワークは“net worth”(純資産)」
井本「そうですね。そうできるようにサポートしていきたいですね。最後に、今後、WABNが向かっていく方向を教えてください」
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佐々木「日本のWABNアカデミーを成長させたいです。今年のアカデミーは、始めたばかりのパイロットです。翌年からはメンバーを増やしていき、グローバルのプログラムのメンバーたちとも繋がったりして、ネットワーキングに活かしてほしいと考えています。WABNアカデミーの卒業生ネットワークも作りたいですね。
ネットワーキングは本当に重要です。『ネットワークは“net worth”(純資産)』。私がいつも言っている言葉です。ネットワークなしに、私は今このポジションにいない。だから女性アスリートたちにも、ネットワークを広げてもらいたいです。
それから、EYには起業したい人たち用の“EY Entrepreneurial Winning Women”のネットワーキング・プログラムもあります。スポーツ界、WABN参加者に限らず、EYの巨大なグローバル・ネットワークに紹介することもできます。まだ、私たちのプログラムはあまり知られていないけれど、これから卒業生が増えていって、活躍してくれたら、その知名度も上がっていくと思います」
井本「そうなってくると、WABNプログラムのプロモーションも楽になってくるでしょうね」
佐々木「今は本当に大変な労力が必要な時期ですが、WABNアカデミーの創設は、プログラムを広げるための、確実な一歩だと思っています。そして、日本の女性アスリートはもっともっと、活躍出来るはず。そう信じています」
井本「本当ですね。ポテンシャルはすごくありますよね。ご尽力、本当に尊敬しますし、応援します。今日はどうもありがとうございました」
【前編】企業女性リーダー400人の94%が元アスリート 女子選手の起業家育成支援にEYが関わるワケ
【中編】スタンフォード大、イェール大など 海外トップアスリートが一流大学を進路に選べる理由
■佐々木・ジャネル
米カリフォルニア州出身。EY Japanのピープル・アドバイザリー・サービスのコンサルタントとして、グローバル企業にブランディング・人事ソリューションを提供。ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス(DE&I)、グローバル人材管理、働き方改革に重点的に取り組む。女性アスリートのビジネス分野への挑戦やキャリア・トランジションのサポートを行う、EYのグローバルが創設したプログラム、WABN(Women Athletes Business Network)のリーダー及び、日本プログラムのディレクターを務め、女性アスリートと女性起業家を積極的に支援。自身も体操競技を13年間以上続けた。
■井本 直歩子
東京都出身。3歳から水泳を始める。近大附中2年時、1990年北京アジア大会に最年少で出場し、50m自由形で銅メダルを獲得。1994年広島アジア大会では同種目で優勝する。1996年、アトランタ五輪4×200mリレーで4位入賞。2000年シドニー五輪代表選考会で落選し、現役引退。スポーツライター、参議院議員の秘書を務めた後、国際協力機構(JICA)を経て、2007年から国連児童基金(ユニセフ)職員となる。JICAではシエラレオネ、ルワンダなどで平和構築支援に、ユニセフではスリランカ、ハイチ、フィリピン、マリ、ギリシャで教育支援に従事。2021年1月、ユニセフを休職して帰国。3月、東京2020組織委員会ジェンダー平等推進チームアドバイザーに就任。6月、社団法人「SDGs in Sports」を立ち上げ、アスリートやスポーツ関係者の勉強会を実施している。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)