「金メダリストでチヤホヤされるのは今だけ」 ボクシング入江聖奈が大学院を目指す理由
卒業後は大学院進学を希望「金メダリストでチヤホヤされるのは今だけ」
「私、大学院に行こうと思っています」
アスリートの大学院進学といえば、スポーツ分野の探求が多いが、そうではない。
「カエルの研究がしたくて。カエルを守りたいんです」
金メダル獲得以降、天真爛漫なキャラクターとともにカエルへの愛が話題になった。目指すのは研究者の道。現在通う日体大の大学院ではなく、他の大学院の試験に挑戦し、合格を目指すという。「カエルの生態学を研究し、保全に繋がるようなレールを作っていきたい」と夢を持つ。
五輪金メダリストの大学生アスリート。性格は明るく、知名度は抜群。望めば、テレビなど華やかな舞台もあっただろうし、就職にしても企業からすれば引く手あまただっただろう。しかし、本人は「金メダリストとしてチヤホヤされるのは今のうちだけ」と言う。
「テレビにもたくさん呼んでいただきましたけど、私の人間(としての評価)がどうのこうのというのは関係なく、金メダリストだから呼んでいただけただけ。テレビのトークで勝負できるかと言えば、違う話。もっと、そういう世界に(行きたい)とは全く思いません。
なおさら、私はこれからカエルの研究という道を目指そうとしている。その世界では(実績が)全く、なんにもない人間なので。より『金メダリスト』というのが、あっち(遠く)に行くと思う。そういう環境でまた頑張っていく方が大事だと思っています」
初めて公の場で話したという将来の夢。ちょっと照れたのか、入江は「金メダルがなくても、一人の人間として『入江さんはいい人だね』と言われるようになりたいな、と思っております」と急にかしこまった語尾になったが、本気ぶりは十分に伝わってきた。