「東京五輪の時より上手いんじゃね?」 現役復帰→2年後に世界一、競技を離れた1年で見つけた“今の自分”――体操・杉原愛子

「自分のペースでいいんだよ」と若い選手たちに伝えたい
今年の目標に掲げるのは、9月に名古屋で開幕するアジア大会と、10月の世界選手権(ロッテルダム)の出場。特にアジア大会は、体操の普及につながるチャンスと気持ちも入る。
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「昨年、東京で開催された世界陸上もめちゃめちゃ話題にのぼったし、自国開催のアジア大会もきっと注目されると思います。やはりスポーツの普及には、大きな大会で日本の選手が活躍するのが最も近道。だから、その大会で代表になるのが目標です。そして、昨年の世界選手権は種目別でメダルを獲れたうれしさと同時に、個人総合では獲れなかった悔しさもあったから、また挑戦したいな。両大会ともすごく楽しみなので、頑張りたい」
杉原は昨年、NHK杯で10年ぶりの優勝を決めた時から、「花が咲く時期は人それぞれやと思う」という言葉を、メディアやSNS、講演会などで発信している。
「やっぱり自分と人を比べて、『自分はできないんだ』と落ち込んだり、焦ったりしてしまう子どもたちや若い選手は多い。だけど、仮に今、成績が出なくても、きっとそれは成長の途中だから、自分のペースでいいんだよ、というメッセージを伝えたかった。
私が15歳の時は、女子の体操選手は高校生がピークだと言われていました。でも去年の世界選手権では、26歳で初めて自分がゆかの世界チャンピオンになれたし、個人総合でもロシアのアンジェリーナ・メルニコワ選手(大会には個人の中立選手として出場)が25歳で優勝しました。(体操選手の)ピークの年齢に対する常識も変わっていくのかなという風潮を感じます。
実際、10年前のNHK杯での自分と今の自分が戦ったら、絶対今の方が勝つ自信もある。早く咲く花もあれば遅く咲く花もある。何年後かは分からないけれど、必ず咲く時がくるから、目の前のことに一つひとつ取り組んでほしいな」
冒頭の種目別W杯コトブス大会。杉原は平均台で金メダルを獲得し、銀メダルに輝いたゆかと合わせて2つのメダルを獲得した。まさに快進撃ですね、と言うと「自分のなかでは絶賛、成長期中です」と笑う。
「でも、東京五輪後に、そのまま体操を続けていたら、絶対こんな風にメダルを獲れなかったと思う。一度、体操を離れたからこそ、今の自分があるんだって、すごく感じます」
「好き」と「楽しい」に満ちた、新生・杉原愛子の体操。消えることのない体操愛を胸に、これからも咲き続ける。
■杉原 愛子 / Aiko Sugihara
1999年9月19日生まれ。大阪府東大阪市出身。4歳で体操を始め、小学4年生の時に本格的に競技に取り組む。2015年のNHK杯女子個人総合で初優勝を果たすと、アジア体操競技選手権大会に出場し、団体総合と個人総合で金メダルを獲得した。五輪には16年リオデジャネイロ、21年東京と2大会連続で出場。22年6月の全日本種目別で選手として「一区切り」し、第一線から退くことを発表したが、翌年の同大会で現役復帰し、ゆかで2年ぶりの優勝を果たした。24年パリ五輪の出場は逃したものの、25年10月に行われた世界選手権の種目別ゆかで自身初の金メダルを獲得。充実した競技生活を送る一方、23年6月に株式会社TRyAS(トライアス)を設立。代表として、体操競技の普及活動に力を注いでいる。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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